口内炎ができると常にズキズキと痛んで気になってしまいますよね。
話すのも食べるのもつらい、となるとだんだんと元気もなくなってきてしまいます。
口内炎のつらさを軽減する食事のコツ、口内炎の予防・治療のためのポイントを解説します。
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口内炎の原因
口内炎の種類にはいくつかありますが、最も多くみられるものは赤い縁取りの白い潰瘍ができる「アフタ性口内炎」です。
この口内炎ができる原因ははっきりとはわかっていませんが、物理的な傷や身体のバリア機能の低下、ビタミン不足が原因となることが知られています。
噛んだりすることによる傷
食事中にほほの内側を噛んでしまうなど、口の中に傷ができるとそこから口内炎になることがあります。
疲労・ストレス・睡眠不足
疲労やストレス、睡眠不足などにより、体のバリア機能が低下していると、口内炎ができることがあります。
ビタミン不足
ビタミンB2・ビタミンB6・ナイアシンといったビタミンが欠乏することで口内炎が起こることがあります。
これらははいずれも食事からの栄養素を体内でエネルギー源や体組織の材料として利用するのに必要な「ビタミンB群」に属するビタミンで、不足すると皮膚や粘膜に異常を生じる原因になります。
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口内炎の時の食事のポイント
口内炎は、簡単に言えば口の中に傷がある状態。
その傷に食べ物が当たったり、食事の塩分などが触れることで刺激されて痛むのです。
口内炎のつらさを軽くするためには「刺激の少ない食事」を心がけるのがたいせつです。
辛味・酸味は控えめ
辛味や酸味のあるものは口内炎の傷や口腔内の粘膜を刺激するため、口内炎があるときは痛みを悪化させることがあります。
トウガラシ、わさび、酢、レモン、梅干しなど、辛味や酸味の強い食事は避けたほうが安心です。
温度はぬるめ
温度の高い食事も口腔内の粘膜のダメージとなりうるものです。
料理は熱々がおいしい、というものも少なくありませんが、口内炎の時にはあまり熱すぎるものは避けましょう。
薄味
傷に塩が触れると痛むのと同様に、口内炎も塩分濃度の高すぎるものは刺激になります。
塩辛い食事は控えめに、口の中に塩分が残らないようにこまめに水を飲むなどを心掛けると、口内炎への刺激を抑えられます。
柔らかい食感のもの
うどんやお粥のような柔らかい食感の食事は傷に当たらず、また噛む回数も少なく済むので口内炎に対して刺激になりにくくおすすめです。
お煎餅のような固い食感のもの、フライの衣のようなザクザクとした食感のものは傷にあたると痛みを生じるため、避けるのが安心です。
口を大きく開けずに済むもの
口内炎があるときには、分厚いハンバーガーよりも薄めのサンドイッチのように、一口が小さく済む食事を意識するとよいでしょう。
食べるときに口を大きく開ける必要があるものは、口内炎の傷がある部分の粘膜を大きく動かすことになるため、痛みにつながりやすくなります。
口内炎の時におすすめのコンビニ商品の例
外食やコンビニだと、味が濃かったり香辛料がきいたりした「強い味」が多いため、口内炎の時にはつらいことも。
コンビニで買える食べ物の中で口内炎の時にもやさしい食事を選ぶなら、以下のようなものがおすすめです。
- 茶碗蒸し
- 具だくさんの汁物
- おでん
- プリン・ヨーグルト・ゼリー
中華やエスニックより和食のほうが、刺激物が少ないことが多くおすすめです。
具材が柔らかく煮込まれたものや、なめらかな食感のものを意識して選ぶとよいでしょう。
口内炎の発生にかかわる栄養素
口腔内の傷や身体のバリア機能低下のほか、特定のビタミンが不足することが原因となって口内炎が起こります。
口内炎の発生にかかわるビタミンと、主な摂取源を紹介します。
ビタミンB2
ビタミンB2は糖質・脂質・たんぱく質のエネルギー代謝にかかわるビタミンで、不足すると口内炎のほか、口角炎、口唇炎、舌炎など、皮膚や粘膜に異常を起こします。
豚・牛・鶏のレバー、アーモンド、ウナギ、ウズラのたまご、納豆などに多く含まれています。
ビタミンB6
ビタミンB6はたんぱく質代謝にかかわるビタミンで、不足すると口内炎のほかに神経障害、皮膚炎、貧血、脂肪肝などが起こることが知られています。
にんにく、ピスタチオ、マグロの赤身、カツオ、鶏ささみなどに多く含まれています。
ナイアシン
ナイアシンは糖質や脂質のエネルギー代謝、アルコールの分解にかかわるビタミンです。
不足すると口内炎以外ではペラグラと言われる皮膚炎や胃腸症状が起こることが知られています。
ナイアシンはカツオやマグロの赤身、サバやイワシ、鶏肉、牛豚のレバー、ヒラタケやエリンギなどきのこ類、に多く含まれています。
不足のリスクは低い
ビタミンB2、ビタミンB6、ナイアシンが不足することで口内炎が起こりうることが知られていますが、実際にこれらのビタミンの不足によって口内炎が起こっている人は少ないと考えられます。
日本人の食事摂取基準2020年版によるそれぞれの摂取目標量と、平成29年国民健康・栄養調査による栄養素摂取量を比べてみました。
食事摂取基準 (推定平均必要量:18-49歳) |
国民健康栄養調査 (20歳以上の平均摂取量) |
||
ビタミンB2 | 男性 | 1.3㎎ | 1.22㎎ |
女性 | 1.0㎎ | 1.15㎎ | |
ビタミンB6 | 男性 | 1.1㎎ | 1.24㎎ |
女性 | 1.0㎎ | 1.08㎎ | |
ナイアシン | 男性 | 13㎎NE(ナイアシン当量) | 16.5㎎ |
女性 | 9-10㎎NE(ナイアシン当量) | 13.7㎎ |
*厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会」 報告書、厚生労働省:平成29年「国民健康・栄養調査」の結果より作成
また、推定平均必要量より少ない場合でも、ただちに口内炎などの欠乏症状が現れるわけではないため、口内炎の原因となるほどの欠乏状態にある人はそう多くはいないと考えられます。
口内炎にならない・早く治すためのポイント
口内炎を予防するため、または早く治すために心掛けるべきポイントは2つ。
歯磨きやうがいで口の中を清潔に保つことと、十分な休養で体力の温存に努めることです。
また、マルチビタミンサプリメントに関しては、補助的なものとして考えるのがよさそうです。
歯磨き・うがい
口の中を誤って傷つけてしまった場合は、歯磨きやうがいをこまめに行い、口の中を清潔に保って口内炎になるのを防ぎましょう。
口内炎ができてしまった場合でも、口の中をきれいな状態に保つことで、炎症の悪化を防ぎ、早めの治癒につながります。
十分な休養
口内炎ができているときは体調が万全ではないときとも考えられます。
睡眠時間をいつもより長くとったり、リラックスする時間をつくったり、意識して体を休めるようにしましょう。
マルチビタミンサプリ
口内炎の予防や治療のためにマルチビタミンサプリメントを飲むという人も少なくありませんが、効果がある人は限られるようです。
しかし、体質的に口内炎を繰り返しやすい人(再発性アフタ性口内炎)がマルチビタミンサプリを摂取しても、口内炎にかかりにくくなったり、口内炎が早く治るということはなかった、とする研究報告*)もあり、ビタミン不足が原因の口内炎の人でなければ、マルチビタミンサプリの効果はあまり期待できなさそうです。
肌荒れや口内炎に、と表示されているビタミン剤もありますが、すべての人に等しく効果があるわけではない、ということだけ知っているといいですね。
ビタミン欠乏がない多くの人にとっては、いつもの食事に上乗せする形でビタミンサプリを摂取しても、口内炎の予防や治療につながるとは言えないかもしれません。
また、欠乏症が出るほど食生活がかたよっている人は、サプリだけに頼るのではなく、食生活全体を見直しする必要があるかもしれません。
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口内炎の時でもやさしい!簡単レシピ紹介
口内炎の時でも食べやすい、刺激の少ないレシピを紹介します。
お肉も野菜もとれるので、ぜひ試してみてくださいね。
柔らか鶏の中華あんかけごはん
【材料】2人分
ごはん | 1合(300g) |
鶏むね肉 | 150g |
塩 | ひとつまみ(0.5g) |
砂糖 | 小さじ1/2(2g) |
酒 | 小さじ1(5g) |
片栗粉 | 大さじ1(9g) |
にんじん | 80g |
豆苗 | ひとパック(90g) |
油 | 大さじ1(12g) |
水 | 300ml |
鶏ガラスープの素 | 小さじ1(3g) |
塩 | 小さじ1/2(2.5g) |
こしょう | 少々(2~3振り) |
しょうゆ | 小さじ2(10g) |
水 | 30ml |
片栗粉 | 小さじ2(6g) |
※横スクロールで表全体の確認が可能です。
【作り方】
1. ごはんは炊いておく。水、鶏ガラスープの素、塩、こしょう、しょうゆを混ぜておく。
2. 鶏むね肉は繊維を断つようにそぎ切りにし、塩、砂糖、酒を絡めて5分置き、片栗粉をまぶす。
3. にんじんは皮をむいて千切り、豆苗は根元から切って人参の長さに合わせて切る。
4. フライパンに油を敷き、鶏肉を焼く。両面の色が変わったらにんじんを加えて炒め、にんじんがしんなりしたら豆苗を加え、合わせておいた調味料を加える。
5. 全体が煮立って具材に火が通ったら水溶き片栗粉を回し入れて全体を混ぜ、とろみをつける。
6. どんぶりにご飯を盛り、5を盛り付ける。
【栄養価】
1人分455kcal ビタミンB2 0.23mg ビタミンB6 0.63mg
肉や野菜を取り入れつつ、食べやすさを重視したメニューです。
片栗粉をまぶすことで鶏むね肉は柔らかく食べやすくなるので試してみてくださいね。
まとめ
口内炎を早く治すためには、口の粘膜にやさしい食事を心掛けるほか、十分な休養も必要です。
口内炎ができてしまったら、体からのSOSと受け取り、無理せず体を休めるようにしてくださいね。
ビタミンB2について詳しく解説した記事はこちら
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参考文献 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所:「健康食品」の安全性・有効性情報(ビタミンB2、B6、ナイアシンについて) 吉田勉 監修:「わかりやすい食品機能栄養学」.三共出版,2010. 厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会」 報告書 Lalla RV, Choquette LE, Feinn RS, Zawistowski H, Latortue MC, Kelly ET, Baccaglini L. Multivitamin therapy for recurrent aphthous stomatitis: a randomized, double-masked, placebo-controlled trial. J Am Dent Assoc. 2012 Apr;143(4):370-6. |