カフェインは眠気覚ましや集中力維持に役立ちますが、その一方で、寝付きにくくなったり、妊娠中には胎児の成長に影響を及ぼす可能性があったりと、あまりとりたくないという人も少なくありません。
飲み物に含まれるカフェインが気になる方のために、カフェインの入った飲み物・ノンカフェインの飲み物について解説します。
Contents
ノンカフェインのお茶・飲み物一覧
嗜好飲料としてひろく用いられているコーヒーやお茶類にはカフェインが含まれています。
そのため、ノンカフェインの飲み物、というと穀物やハーブを使ったものが代表的です。
■ノンカフェインの飲み物の例
- 麦茶
- トウモロコシのヒゲ茶
- ルイボスティー
- カモミール
- ローズヒップ
- レモングラス
- ミント
- ハイビスカス
また、ハーブにカフェインは含まれていませんが、ハーブティーは複数の素材がブレンドされているものも多いので注意。
紅茶や緑茶など、お茶の葉が使われているものはノンカフェインではないので、原材料表示などで確認するとよいですね。
また、近年では、カフェインを取り除いた「デカフェ」のコーヒーなども人気です。
「デカフェ」「カフェインレスコーヒー」といったものは、水や二酸化炭素を用いてカフェインを9割以上取り除いています。
厳密にいえば、「デカフェ」は「ノンカフェイン」と異なり、微量のカフェインは残っていますが、ほとんど意味のない量と考えて差し支えないでしょう。
カフェインの入ったお茶・飲み物一覧
カフェインを含むものには大きく分けて2つあります。
原料がカフェインを含んでいるコーヒーやお茶のほか、精製したカフェインが添加されているものが挙げられます。
■原料がもともとカフェインを含むもの
- コーヒー…ドリップコーヒーで60㎎/100ml
- お茶類(緑茶、紅茶、ウーロン茶など)…20㎎/100ml前後
- カカオ製品(ミルクココアなど)…6㎎/100ml前後
同じ飲み物でもコーヒー、茶、ココアを多く使った「濃い」もののほうがカフェイン量が多くなります。
■カフェインを添加してつくられたもの
- コーラ(昔は原材料にカフェインを含む素材が使われていましたが、現在は添加されています)…0-10㎎/100ml前後(製品により異なる)
- エナジードリンク…30㎎/100ml前後(製品により異なる)
- 眠気覚ましドリンク…100-150㎎/100ml(製品により異なる)
製造過程で添加する量が決められるため、製品によってカフェインの量が大きく異なるのが特徴です。
妊娠中や子どものお茶の選び方
妊娠中や子どもの場合にはカフェイン摂取に注意が必要ですが、選び方はそれぞれ異なります。
妊娠中、子どもでそれぞれ気をつけたいポイントとおすすめの飲み物を紹介します。
妊婦は妊娠に悪影響の無いものを選ぶ
ノンカフェイン飲料はカフェイン摂取量を気にせず飲めるのが魅力ですが、妊娠に悪影響を及ぼさないものを選ぶようにしましょう。
今回紹介したものでは、妊娠への悪影響は確認されていないものとして、以下のお茶が挙げられます。
そのため、以下のお茶は通常の量であれば安心して飲むことができそうです。
- 麦茶
- ルイボスティー
- ローズヒップ
- ミント
また、コーヒーや紅茶に関しては、「デカフェ」「カフェインレス」のものが用意されている場合もあります。
厳密には微量のカフェインが含まれていますが、ほとんど問題にならない量なので、安心して飲むことができます。
一方、ハーブの中にはカフェインこそ含まれていないものの、妊娠に望ましくない作用を持つものも存在します。
カフェインを減らしても、代わりにほかの心配が増えてしまってはもったいないですよね。
多少カフェインが入っていても、摂取量が問題ない範囲であれば慣れない食品に手を出すよりも安全、ということもあります。
今回紹介したノンカフェインのない飲みものの中では、以下の影響があることが示唆されています。
- トウモロコシのヒゲ…子宮刺激作用
- カモミール…堕胎促進、月経促進、子宮収縮
- レモングラス…通経作用、子宮収縮作用
- ハイビスカス…月経刺激作用
ノンカフェインではあるものの、妊娠中については、これらを多飲するのは避けたほうが安心です。
子供は飲みやすさも考慮する
ハーブティーなどの風味が子どもにとっては飲みにくい、ということもあるので、なじみが深く飲みやすいものを選びましょう。
保育園などでは麦茶がよく採用されています。
最近では子供向けにカフェインを抜いたお茶類も販売されているため、そのような製品を活用するのも方法のひとつです。
カフェインの適量とは
カフェインはとりすぎると体調に悪影響を及ぼすことから、健康に害のない摂取量に留めることが推奨されています。
健康を損なわないカフェインの摂取量を、健康な成人、妊婦、子どもの場合に分けて紹介します。
健康な成人の場合
カナダ保健省や欧州食品安全機関(EFSA)によると、健康な成人に有害な影響のないカフェインの摂取量の最大値は400㎎/日(1回あたりの摂取量は3㎎/㎏体重)とされています。*1)
しかし、カフェインの感受性は人によって個人差が大きいため、体質に応じて調節するとより安心です。
妊娠中の場合
平常時より安全な摂取量の範囲は狭まるものの、世界的にも「妊娠中であっても1日あたり200-300㎎まで(コーヒー2杯程度)であれば悪影響は起こらない」、と考えられています。*1)
とはいえ、コーヒーよりもカフェイン濃度が高い眠気覚ましドリンクなどでは、一度に多量のカフェインを摂取できてしまうため、基準範囲内にあったとしても、なるべく控えたほうが安心です。
子供の場合
日本では明確な数値は示されていませんが、カナダの保健省では、
4-6歳:45㎎/日
7-9歳:62.5㎎/日
10-12歳:85㎎/日
13歳以上の青少年:2.5㎎/㎏体重・日(データ不十分のため未確定)
という基準を示しています。*2)
夜、就寝時間に眠れなくなってしまうのは避けたいところではありますが、時間帯さえ考慮すれば「一切飲んではいけない」というわけではありません。
まとめ
カフェインが気になる人にとってノンカフェインの飲み物は選択肢が広がる便利なもの。
好みや体調に合わせて、上手に活用してくださいね。
カフェインの効果と過剰摂取について詳しく解説した記事はこちら
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参考文献 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所:「健康食品」の安全性・有効性情報(チャ、ルイボス、スペアミント、ペパーミント、ローズヒップ、カモミール、レモングラス、ハイビスカスについて) 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所:「健康食品」の安全性・有効性情報「妊娠中のハーブ製品の自己判断による摂取に注意」 文部科学省:「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」 *1)食品安全委員会:「食品中のカフェイン ファクトシート」 *2)カナダ保健省:Health Canada Reminds Canadians to Manage Caffeine Consumption, 2010. |