特定保健指導は、階層によってやることもそれぞれ違う!
特定保健指導は、対象者の方の生活習慣病リスクの高さに応じてレベルわけ(階層化)され、内容もそれぞれ異なります。
特定保健指導における情報提供レベル、動機づけ支援レベル、積極的支援レベルそれぞれの保健指導の内容、期間、スケジュール例を紹介します。
情報提供レベルの支援内容とスケジュール
情報提供レベルの支援内容
生活習慣病リスクの少ない人のほか、特定健康診査を受けたすべての人が対象となり、個人の健診結果に応じて、検査値改善のためのアドバイスなどの情報、健康管理に役立つパンフレット等が提供されます。
健診結果に応じたアドバイスの例(血圧の場合)
*標準的な健診・保健指導プログラム【平成30年度版】より引用
正常域の場合
今回、あなたの血圧値は正常域の範囲にありました。ご自身の状態を確認するために、これからも健診を受診しましょう
正常高値の場合
今回、あなたの血圧値は正常域ですがその中では高め(正常高値)の範囲でした。
この血圧レベルの人は、望ましい血圧レベル(収縮期血圧 120mmHg未満かつ拡張期血圧 80mmHg未満)の人と比べて、約 1.5~2 倍、脳卒中や心臓病にかかりやすいことが分かっています。
血圧を下げるためには、減量(以前より体重が増えた人)、適度な運動、お酒を減らす、減塩、野菜を多くして果物も適度に食べる等、生活習慣の改善が必要です。
引き続きご自身の身体の状態を確認するために、これからも健診を受診しましょう。
期間・スケジュール
健診結果の通知と同時に実施され、日をまたぐような指導はありません。
動機づけ支援レベルの支援内容とスケジュール
動機づけ支援レベルの支援内容
動機づけ支援は、健診結果と質問票から「生活習慣の改善が必要」とされた人に対し、生活習慣改善のための行動目標の設定・評価をサポートするものです。
まず、個別支援またはグループ支援により、
検査値の読み方やメタボリックシンドローム・生活習慣病についての解説を受け、自分の日頃の生活習慣について振り返り、改善のための行動目標(間食の回数を減らすなど)を立てます。
その後、行動目標が達成できたか、体重や腹囲といった数値に変化が見られたかなどの振り返りと評価を行います。
期間
3か月~6か月*評価時期による
初回の支援から評価までの間に対面、電話、メールなどによるやり取りはありません。
ただし、場合によっては評価後にさらなるフォローアップがあることもあります。
スケジュール例
■初回面接:個別支援(対面)、20分
↓
■評価:3か月後(6か月後)、電話など
積極的支援レベルの支援内容とスケジュール
積極的支援レベルの支援内容
積極的支援は、健診結果と質問票から「生活習慣の改善が必要」とされた人に対し、〈特にきめ細やかに〉生活習慣改善のための行動目標の設定・評価をサポートするものです。
まず、個別支援またはグループ支援により、
- 生活習慣と健診結果の関係
- メタボリックシンドロームや生活習慣病に関する知識
- 生活習慣の振り返り、生活習慣改善の必要性
- 生活習慣を改善するメリット、現在の生活を続けることのデメリット
- 食生活・身体活動等の生活習慣の改善に必要な実践的な支援
- 社会資源の紹介
- 体重・腹囲の計測方法について
などの解説・指導を受け、
- 行動目標・評価時期の設定、支援計画の作成
を行い、3か月間どのように取り組むかを決定します。
評価までの3か月の期間中、対面・電話・メールなどの方法で
- 行動計画が実施できているかの確認
- 行動目標は達成できそうかの確認
- 必要に応じて目標等の再設定
- 生活習慣改善に役立つアドバイス
などの継続的な支援を受けます。
その後、行動目標が達成できたか、体重や腹囲といった数値に変化が見られたかなどの振り返りと評価を行います。
期間
3か月~6か月*評価時期による
初回の支援から評価までの間に複数回の対面、電話、メールなどによる支援を受けます。
また、場合によっては評価後にさらなるフォローアップがあることもあります。
スケジュール例
■初回面接:個別支援(対面)、20分
■継続的支援①:2週間後、電話支援、10分
■継続的支援②:1か月後、メール支援、1往復
■継続的支援③:2か月後、個別支援(対面)、10分、中間評価
■継続的支援④:2か月後、メール支援、1往復
■継続的支援⑤:3か月後、電話支援、10分
■評価:6か月後、電話など