特定保健指導の目的とは?
特定保健指導とは、特定健康診査において「生活習慣病リスクが高い」と判断された人に対して行われるものです。
特定保健指導はどんな目的で行われ、どんなメリットがあるものなのでしょうか?
最大の目的は生活習慣病をおこさないようにすること
特定健康診査・特定保健指導における最大の目的は「生活習慣病リスクの高い人が、生活習慣病に移行しないようにすること」です。
生活習慣病は現代における大きな課題とされており、発症する前の予防が重要な病気です。
特定健康診査では主に「生活習慣病リスクの高い人をみつけること」が目的でしたが、特定保健指導ではその次の段階である「生活習慣病を予防すること」が目的となります。
生活習慣病予防のために「セルフケア」ができるようになることも目的になる
最大の目標となる「生活習慣病の予防」のために必要なものとして、
- 対象者自身が健診結果を理解し、自身の体の変化に気づく
- 対象者が自らの生活習慣を振り返る
- 対象者が生活習慣を改善するための行動目標を設定・実践できる
- 対象者が自分の健康に関するセルフケアをできるようになる
…ということも目的としています。
すでに生活習慣病になっている人は関係ない?
特定健康診査・特定保健指導は「生活習慣病リスクの高い人を見つけ、発症を予防する」ためのものです。
そのため、すでに生活習慣病のいずれかと診断されており、通院や服薬などの治療を行っている人は原則特定保健指導の対象とはならず、主治医からの指導が優先されます。
とはいえ、すでに生活習慣病の人は関係ない…というわけではなく、「生活習慣病の有病者に対して、重症化や合併症を予防すること」も特定健診・特定保健指導の目的のひとつとされています。
そのため、すでに治療を行っている場合でも、主治医との連携をとったうえで保健指導を受けることが可能です。
ポイント:あくまで対象者が主体となって健康づくりをする
特定保健指導では、「対象者自身が気づき、振り返り、目標を設定し、実践し、セルフケアを行う」という点が大事なポイントです。
医師・保健師・管理栄養士などの専門職に指示されたことを守るということではなく、自分自身の問題として、主体的に健康づくりを行うことが重要視されています。
そのため、特定保健指導では、専門職はあくまでサポートを行う立場であり、一方的に指示をするようなかかわり方はしないのが特徴です。
特定保健指導を受けるメリットは?
特定健診・特定保健指導の対象年齢は40~74歳。「忙しいのに、受けなきゃダメなの?」と思う人は少なくありません。
では、特定保健指導は受ける人にとって、どのようなメリットがあるのでしょうか?
健診結果の読み方がわかるようになる
今までは健診結果が返ってきても、どの数値が体のどこのどんな状態を表しているのか分からなかった…という人でも、専門職の解説を受けることで数字の意味が分かるようになり、自分の体の問題点が読み取れるようになります。
「自分専用」の改善点や行動目標がわかるようになる
例えば、同じ「血中中性脂肪」の項目で基準を外れた人がいたとしても、その原因となる具体的な生活習慣は「甘いお菓子が多い」「お酒が多い」など、人それぞれ異なることもしばしばです。
特定保健指導では、専門職と一緒に日頃の生活習慣を振り返ることで、「自分だけの改善点」「自分専用の行動目標」を見つけることができます。
生活習慣改善のきっかけになる
自分の生活習慣で「よくないな」と思う問題点がわかっていても、きっかけがないとなかなか実行に移せないことも多いですよね。
保健指導を受けることで背中を押してもらえるので、生活習慣改善に踏み出しやすくなります。
継続的な支援で三日坊主を防ぐ!
特定保健指導の対象になると、動機づけ支援では3か月後?に1回、積極的支援では3か月間に複数回、担当者からの継続できているかの確認やアドバイスなどを受けることになります。
保健指導の「受けっぱなし」では終わらないため、継続しやすく、長期にわたっての生活習慣の改善に役立ちます。