忙しい毎日では野菜をたっぷりとるのが難しく、野菜不足が気になっている人は多いはず。
そんなときに心強いのがコンビニなどでも手に入る野菜ジュースですが、丸ごとの野菜と同じものと思っていいのでしょうか?
野菜ジュースと野菜の違いと、野菜ジュースの上手な取り入れ方を解説します。
Contents
野菜不足は野菜ジュースで解決できる?
結論から言えば、野菜ジュースは野菜不足を「補う」ことはできますが、「野菜の代わり」にはなりません。
全く野菜をとらない状態に比べれば、野菜ジュースを飲むことで(一部ではありますが)野菜の栄養素を摂取することができます。
いっぽうで、野菜ジュースに加工する際に失われる栄養素もあるため、全く同じものとは言えません。
残念ながら、「1日分の野菜がとれる」と書いてあったとしても、「野菜ジュースを飲めば野菜は一切食べなくてもOK」とはいえません。
野菜ジュースでとれる栄養素
野菜ジュースからとれる栄養素のうち、普通の野菜とほぼ変わりなく摂取できるのは、ビタミンA(β-カロテンとして存在)などの「脂溶性ビタミン」と鉄分やカリウムなどの「ミネラル」です。
これらの成分は野菜ジュースとして加工する過程でも壊れにくく、ほとんど損失されていないと考えられています。
また、野菜をジュースに加工する過程で、野菜の細胞壁などが破壊されるため、β-カロテンなどの栄養素は、かえって吸収率が上がることが報告されています。
消化吸収されやすいので、胃腸が弱っているときにも野菜の栄養素をある程度補うことができる点は魅力ですね。
野菜ジュースではとれない栄養素と効果
いっぽう、野菜と野菜ジュースの栄養素で差が出てしまうのは、不溶性食物繊維とビタミンCです。
食物繊維
生活習慣病などの予防に関して、食物繊維の望ましい摂取量から考えると、日本人はやや不足ぎみ。
野菜は食物繊維の摂取源として大きな役割をもつ食品群のひとつです。
しかし、野菜ジュースは野菜の搾り汁なので、いわゆる搾りカスに多く含まれる不溶性食物繊維は取り除かれてしまいます。
野菜ジュースの中でも、グリーンスムージーのように野菜をミキサーにかけてすべて飲むもの(食物繊維もそのまま残っている)、デキストリンなどの食物繊維を添加したものについては例外と考えます。
ビタミンC
野菜ジュースにおいてビタミンCは製造中および保管中に徐々に失われるものであり、野菜そのものに比べると減少していることが予想されます。
後から添加しているものもあるため、気になる場合は原材料表示や栄養成分表示を確認することをおすすめします。
早食い・食べすぎ防止効果
野菜は量のわりにエネルギーが低く、食感があるものも多いところもポイントです。
よく噛んで食べる野菜は早食い防止や食べすぎ防止など、ダイエットに良い影響をもたらす食品ですが、野菜ジュースではその効果が期待できないのが残念なところ。
ダイエット中だから野菜ジュース、というのは少し的外れになってしまいそうです。
栄養素以外の野菜の魅力についても詳しく解説した記事はこちら
野菜ジュースの選び方と活用のポイント
普通の野菜と比べて栄養面・健康効果の面で劣る部分が多い野菜ジュースですが、なるべく普通の野菜に近い効果を得るためにはどんなものを選ぶのが良いのでしょうか?
使用する原材料、栄養価から、よりよいものを選べると理想的です。
野菜の割合が多いもの
野菜ジュースと言っても野菜100%のものから果物と野菜が50%ずつのものなど、その内容はさまざま。
野菜の栄養素摂取の観点から言えば、野菜の割合が多いもののほうがよりおすすめといえますが、野菜100%のものは飲みにくくて…という場合には、口に合うものを選んで問題ありません。
(野菜を一切食べない・飲まないよりは果汁入りでも飲んだほうがベターなので)
付け加えると、砂糖などの甘味料で甘味を付けたものはエネルギーも高くなりがちです。
そのため、栄養的には砂糖が添加されていないもののほうがより良いですが、こちらも無理に制限する必要はありません。
野菜の栄養素が多いもの
ビタミンA(カロテン)、カリウム、カルシウム、食物繊維などの成分が野菜の魅力でもあります。
パッケージの栄養成分表示を見比べることで、これらの成分の量が判断できます。
ただし、栄養成分の数値にはかなり幅があるので、参考程度にとどめるのがいいかもしれませんね。
おすすめの野菜ジュースの例
市販の野菜ジュースではどのような商品タイプを選ぶと普通の野菜に近づけるのでしょうか?
おすすめの商品タイプを紹介します。
野菜100%ジュース
市販の野菜ジュースのうち、多くは果物を混ぜて飲みやすくしてありますが、野菜の栄養を補いたいときには「野菜100%」の表示があるものを選ぶのがおすすめです。
果物をミックスしたものと比べて糖類が少なくカロリーが控えめなのも魅力のひとつです。
グリーンスムージー
近年は健康志向の高まりから、従来の野菜ジュースでは取れない食物繊維を残した「スムージー」タイプも販売されるようになってきました。
スムージータイプは果物をミックスしたものがほとんどで、糖類の含有量が多くカロリーが高くなりがちなのが弱点ですが、それでも従来の野菜ジュースでほとんど摂取が期待できなかった食物繊維が多く含まれるのが魅力です。
スムージータイプの中でも、野菜の含有割合が高そうなものを選ぶのがおすすめです。
野菜ジュース以外の食事にも気を付けよう
上で述べた通り、野菜ジュースでは噛むことによる早食い防止や食べすぎ防止の効果が期待できないのが残念なところです。
野菜ジュースを飲むときは、それ以外の食品は噛み応えのあるものを選ぶようにすると、野菜ジュースの弱いところをある程度補えそうです。
まとめ
野菜ジュースは飲むだけで必要な栄養素が取れる・健康になれる・やせられるようなものではありません。
普段はなるべく野菜をとることを心がけたうえで、野菜の少ない食事中または前後にプラスする、あるいは食欲のないときの栄養補給の一部として利用するといった活用方法がいいですね。
野菜ジュースは万能の薬ではありませんが、野菜不足の人にとっての手助けになる部分も確かにあります。
野菜ジュースのいい点、悪い点を把握したうえで、日々の生活に役立ててくださいね。
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