低価格で手に入りやすく低カロリーなお豆腐は、実は機能性成分が含まれる食材です。
女性ホルモンエストロゲンに似た働きをするダイズイソフラボンや、腸内の善玉菌のはたらきを助けるオリゴ糖など、女性にうれしい作用が期待されています。
お豆腐の種類の違いやカロリー比較、栄養素を生かす方法を紹介します。
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豆腐の種類と栄養価
豆腐は原料となる大豆を水に浸して煮込み、それを絞ったしぼり汁(豆乳)をにがりなどの凝固剤で固めた加工食品です。
濃い豆乳をプリンのように固めたものが絹ごし豆腐、薄い豆乳を一度固めてから水分を抜いて成型したものが木綿豆腐と呼ばれます。
滑らかな口当たりの絹豆腐はスープや冷ややっこに、崩れにくくしっかりした食感の木綿豆腐は炒め物や煮物にするのがおすすめです。
一般的な2種類の豆腐の栄養データ
まず、最もひろく食べられている絹ごし豆腐と木綿豆腐のカロリーとエネルギーを見ていきましょう。
木綿豆腐 | 絹ごし豆腐 | |
エネルギー | 72kcal | 56kcal |
たんぱく質 | 6.6g | 4.9g |
脂質 | 4.2g | 3.0g |
炭水化物 | 1.6g | 2.0g |
*100gあたり |
※横スクロールで表全体の確認が可能です。
小鉢の冷ややっこ1人前が100gくらいなので、1皿食べてもカロリーが気になりにくい食材です。
(市販のパッケージで言うと大パックで300g、使い切りパックで約130g)
豆腐加工品の栄養データ
次に、木綿豆腐を加工した焼き豆腐と生揚げのエネルギー(カロリー)と栄養素を見ていきましょう。
焼き豆腐 | 生揚げ | |
エネルギー | 88kcal | 150kcal |
たんぱく質 | 7.8g | 10.7g |
脂質 | 5.7g | 11.3g |
炭水化物 | 1.0g | 0.9g |
*100gあたり |
※横スクロールで表全体の確認が可能です。
焼き豆腐は木綿豆腐を焼いて焼き目を付けたもので、水分が抜けたぶん全体的に栄養価が高くなっています。
生揚げは木綿豆腐を油で揚げたもので、揚げ油が加わることで脂質の量が増加、エネルギー(カロリー)も高めになっています。
豆腐製品は低カロリー・低価格・手軽さが魅力
お豆腐は、ヘルシーなたんぱく質源として優秀なだけではなく、低価格でどこにでも売っていること、
肉や魚のように加熱調理がいらない、包丁とまな板がなくてもOKで料理が苦手な人にも使いやすい食材であることが魅力の食材です。
注目されている豆腐の機能性成分
低カロリー食材として使いやすい豆腐ですが、豆腐に含まれる様々な成分の機能も注目されています。
豆腐や大豆製品を食べるだけで薬のような効果が表れるものではありませんが、これらの成分も食材の魅力のひとつとも言えますね。
大豆イソフラボンのエストロゲン様作用
大豆に含まれる「大豆イソフラボン」はポリフェノールの一種で、ヒトの体内で女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをすると考えられている成分で、以下のような働きが期待されています。
- 更年期のホットフラッシュ(ほてりや発汗)の緩和
- 閉経後の骨粗しょう症の予防
いずれの効果についても、ヒトを対象とした研究において「効果があったとする研究報告」と「効果がなかったとする研究報告」が混在している状況です。
そのため、これらの症状がある人が必ずしも効果を得られるとは言い切れず、有効となる量についてもまだはっきりとは分かっていませんが、今後研究が進むことで有力な治療法として活用されるかもしれませんね。
更年期のホットフラッシュ(ほてりや発汗)の緩和
更年期や閉経後はそれ以前と比較してエストロゲンの分泌量が減少することで更年期症状のような様々な不調が起こることが知られています。
更年期によってエストロゲンが不足している人に対し、エストロゲンに似た構造を持つ大豆イソフラボンを摂取することで、更年期症状のひとつであるホットフラッシュの緩和が期待されています。
閉経後の骨粗しょう症の予防
女性ホルモンのエストロゲンは骨からのカルシウム溶出を抑える働きを持ちますが、閉経によりその作用が弱まることで骨からのカルシウム溶出量が増加し、もろく折れやすい状態になりやすくなります。
大豆イソフラボンには閉経後のエストロゲン減少による更年期症状を緩和したり、骨からのカルシウム溶出を抑制する働きによって骨粗しょう症を予防する効果が期待されています。
大豆イソフラボンの摂取に加えて、骨の原料となるカルシウム、また小腸でのカルシウムの吸収を促進するビタミンDを適度に摂取し、適度な運動で骨に刺激を与えることで、丈夫な骨を維持することができます。
大豆たんぱくの血中脂質の低下作用
また、大豆に含まれるタンパク質には血中コレステロールの低下作用が認められており、高コレステロール血症の予防、動脈硬化発症の予防の効果が期待されています。
オリゴ糖の腸内環境改善作用
大豆にはオリゴ糖という食物繊維の一種が含まれています。
オリゴ糖は低カロリーで腸の善玉菌の栄養源になるため、腸内環境を整える手助けになります。
大豆のオリゴ糖とともに、オリゴ糖を栄養源にしてその働きを高める乳酸菌の入った発酵食品を一緒に食べるのがおすすめです。
また、野菜や海藻といった食物繊維が豊富な食材も合わせるとより効果的ですね。
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大豆イソフラボン&カルシウム!お豆腐活用レシピ
大豆イソフラボンとカルシウムを豊富に含むお豆腐を使ったレシピを紹介します。
【レシピ紹介】豆腐と卵のふわふわ蒸し とろとろ柚子胡椒あん
【材料】2人分
たまご | 2個 |
絹豆腐 | 1/2丁(150g) |
むきえび | 6尾(30g) |
細ねぎ | 2本(15g) |
めんつゆ(3倍濃縮) | 小さじ1(5g) |
●料理酒 | 大さじ1(15g) |
●みりん | 大さじ1(15g) |
●塩 | 小さじ1/3(2g) |
●柚子胡椒 | 小さじ1(5g) |
●和風顆粒だし | 小さじ1/3(1g) |
●水 | 200cc |
〇片栗粉 | 大さじ1(9g) |
〇水 | 大さじ1(15g) |
※横スクロールで表全体の確認が可能です。
【作り方】
1. むきえびは食べやすい大きさに切る。
2. 細ねぎは根元を切り落として小口切りにする。
3. ボウルに卵、絹豆腐を加えてなめらかになるまで混ぜ、むきえび、細ねぎ、めんつゆを加え、混ぜる。
4. 耐熱容器にラップをしき、3を流し入れ、ラップで包み、600Wのレンジで3分加熱し、器に戻し入れる。
5. 鍋に酒・みりん・塩・柚子胡椒・和風だし・水を入れて熱し、煮立ったら水溶き片栗粉を加えてとろみをつけ、4にかける。
【栄養価】
1人分 201kcal たんぱく質14.7g 脂質8.9g 炭水化物12.1g カルシウム110㎎ 食塩相当量2.3g
レンジ調理で簡単&メインおかずにもなるレシピです。
お豆腐から骨の健康を守る大豆イソフラボン、お豆腐と卵からカルシウムをプラス!
むきえびの代わりにシーフードミックスやかにかま、生の小葱の代わりに冷凍小ねぎを活用するとさらにお手軽ですね!
まとめと注意点:大豆イソフラボンのとりすぎに注意
さまざまな健康効果が期待されている大豆イソフラボンですが、とりすぎにも注意が必要です。
内閣府の食品安全委員会より大豆イソフラボンの安全な1日の摂取量の上限値は70~75mgと示されており、これはお豆腐350g分(大パック1丁)に相当します。
普段の食生活にお豆腐を取り入れるだけで十分な量が摂取できるので、成分の濃縮されたサプリメントは使い方によっては過剰摂取になる恐れがあります。
お豆腐などの食品からの摂取は問題ないとされていますが、取りすぎによる子宮内膜増殖症などの健康被害が報告されていることからも、厚生労働省が定める上限量を上回らない範囲で、上手に取り入れていきたいですね。
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参考文献 内閣府 食品安全委員会:「大豆及び大豆イソフラボンに関するQ&A 吉田勉 監修:「わかりやすい食品機能栄養学」.三共出版,2010. 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所:「健康食品」の安全性・有効性情報(ダイズ、大豆オリゴ糖、ダイズイソフラボンについて) |