幅広い料理に使える食材としておなじみのじゃがいも。
もともとは南米が原産の、なすの仲間の植物です。
今回はじゃがいもの栄養、保存についての注意点を紹介します。
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じゃがいもは野菜?
じゃがいもは野菜の仲間でしょうか?それとも、お米やパンなどの仲間でしょうか?
栄養素を数値で比べながら、じゃがいもの特徴を紹介します。
ポテトサラダは野菜料理?
「野菜を食べようと思って、ポテトサラダを選んだ」というのは、正しいのでしょうか?
じゃがいもは植物からとれる食べ物ですが、「野菜」の仲間といえるのでしょうか?
植物の分類として近い「なす」、土の中にできるところが似ている「にんじん」と比較します。
じゃがいも(蒸し) | なす(ゆで) | にんじん(ゆで) | |
エネルギー | 81kcal | 19kcal | 36kcal |
水分 | 78.8g | 94.0g | 90.0g |
たんぱく質 | 1.9g | 1.0g | 0.7g |
脂質 | 0.3g | 0.1g | 0.1g |
炭水化物 | 18.1g | 4.5g | 8.5g |
*100gあたり、日本食品標準成分表より作成 |
※横スクロールで表全体の確認が可能です。
じゃがいもの主成分は炭水化物
たんぱく質、脂質、炭水化物の中で最も多く含まれるのは「炭水化物」です。
主な成分を比較すると、ジャガイモは主成分である炭水化物の含有量がナスやにんじんと比較して2-4倍あり、それに伴ってカロリーも高めになっています。
主成分である炭水化物の量から考えると、野菜として考えるのは難しそうです。
「ポテトサラダ」は野菜料理とは言いにくそうですね。
食品成分表では「いも類」テーブルでは「主食」に近い
ではお米や小麦のような「穀類」の仲間かといわれると、それもまた別で、じゃがいもは「いも類」というグループに属します。
日本では「主食」と呼ばれるのはお米がメインですが、世界には炭水化物の豊富なじゃがいもを主食にしている地域も多く存在します。
食品の分類では野菜にも穀物にも分類されない「いも類」ですが、性質としてはごはんやパンなどの穀類に近いものと考えるとよさそうです。
そのため、冒頭のようにポテトサラダを野菜料理の副菜として扱ってしまうと、主食のごはんやパンと重なって炭水化物に偏った食事になりがちです。
じゃがいもの栄養
じゃがいもは炭水化物を多く含む点でお米やパンに近い食材といえますが、栄養価としてはより魅力的なポイントも。
ご飯やパンと比べた時のジャガイモの魅力を紹介します。
お米やパンよりも豊富な栄養素も!
主食として選ばれることの多い白米ご飯や食パンと栄養成分を比較してみました。
じゃがいも(蒸し) | 白米ごはん | 食パン | |
1食当たりの重さ | 300g(2個) | 160g(1/2合) | 90g(4枚切り1枚) |
エネルギー | 243kcal | 269kcal | 234kcal |
水分 | 236.4g | 96.0g | 34.9g |
たんぱく質 | 5.7g | 4.0g | 8.1g |
脂質 | 0.9g | 0.5g | 3.8g |
炭水化物 | 54.3g | 59.4g | 41.9g |
食物繊維 | 10.5g | 2.4g | 2.1g |
カリウム | 1300mg | 46mg | 79mg |
鉄 | 1.8mg | 0.2mg | 0.5mg |
ビタミンB1 | 0.24mg | 0.03mg | 0.06mg |
ビタミンC | 33mg | 0mg | 0mg |
*おおよそ1食当たりの量とカロリーを考慮した値、日本食品標準成分表より作成 |
※横スクロールで表全体の確認が可能です。
ビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富
じゃがいもはエネルギー(カロリー)に対して食物繊維、カリウムや鉄、ビタミンB1やビタミンCが豊富に含まれています。
食物繊維やカリウム、ビタミンCを多く含む食品の代表が「野菜」です。
じゃがいもは野菜に分類することはできませんが、主食でありながら野菜などに多く含まれる栄養素を併せ持つ食品といえます。
ごはんやパンの代わりに活用するのもおすすめ
白米ごはんや食パンと比べるとじゃがいもは水分が多く、同じくらいのエネルギー(カロリー)量でも2-3倍ほどの重さになります。
1食でじゃがいも2つはなかなか食べられないので、結果的に摂取エネルギー(カロリー)を抑えることにつながりそうです。
そのため、摂取エネルギー(カロリー)を抑えたいダイエット中ではごはんやパンの代わりにじゃがいもを(1個程度)食べるのもおすすめ。
ですが、油をたっぷり使ったフライドポテトはこれには当てはまらないので、なるべくシンプルにゆでたり蒸したりしたじゃがいもを取り入れるのがいいですね。
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じゃがいもの選び方・使い方のポイント
じゃがいもといっても、種類によって見た目や食感が異なります。
使いたい料理によって選び方を変えてみてはいかがでしょうか?
じゃがいもの品種の違いと適したメニュー
一般に手に入りやすいじゃがいもの品種は、大きく2つの系統に分けられます。
男爵系
日本でもっとも一般的なじゃがいもです。
形は丸く、ほくほく感が強いのが特徴。
粉ふき芋やじゃがバターなど、ほくほく感が大事なメニューは男爵がおすすめです。
メークイン系
男爵に比べるとメジャーではありませんが、こちらも有名。
やや細長い形で、ねっとりした食感です。
煮崩れにくいのでカレーなどの煮込み料理にぴったりです。
新じゃがとは
春ごろに出回る「新じゃが」は特定の品種を指すものではなく、収穫し始めの時期に出荷されるものを指します。
じゃがいものビタミンCは収穫後に徐々に減少してしまいます。
そのため、収穫したての新じゃがはビタミンCが比較的多くとれる時期でもあります。
皮が薄く気になりにくいため、丸ごとの料理にも使いやすいのが特徴です。
比較的水分が多く、ほくほく感は控えめなことが多いようです。
じゃがいもの保存の注意点
じゃがいもは日持ちしやすい食材と思っていませんか?
実はじゃがいもの長期保存は避けたい理由があります。
「ソラニン」に注意!
「じゃがいもの芽は食べてはいけない」と、言われた記憶はありませんか?
じゃがいもの芽には「ソラニン」「チャコニン」と呼ばれる自然毒が含まれており、摂取した量によっては深刻な影響をもたらします。
ソラニン、チャコニンとはグリコアルカロイドと呼ばれる自然毒の一種で、食べると苦味があります。
通常、健康に影響はない量しか含まれていないが、じゃがいもに光が当たる、じゃがいもに傷がつくことで増加し、健康への影響がある場合も。
ソラニンは、発芽した芽の部分だけではなく、光に当たって緑色になった皮にも多く含まれています。
(通常のじゃがいもで100gあたり7.5mg、緑色になったじゃがいもは100gあたり100mg以上が含まれることも)
毒性が表れる量は食べた人の体重によって異なり、50㎏の人では50mgを摂取すると何らかの症状が出る可能性があり、120-300mgを摂取すると死亡する可能性が出てきます。
症状としては吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、頭痛、めまいなどが知られています。
- なるべく新鮮なものを購入し、長期間保存しない
- 体の小さい子どもは少量でも影響がある可能性があるため、皮は食べさせない
- 加熱しても毒性は減らないため、芽が出たり緑色になったじゃがいもはなるべく食べない
- もしじゃがいもを食べて苦味などの違和感を感じたら食べるのをやめる
- じゃがいもを食べた後に体調不良を感じたら病院を受診する
といった点に注意しましょう。
芽が出にくい保存の仕方
新鮮なものを買ってきてすぐに調理するのが理想ですが、やむを得ず家で保管する、という時には、
- 光の届かないところ
- 湿気の少なく涼しいところ(暑くなければ室温でOK)
を選ぶといいでしょう。
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主食の代わりにじゃがいも活用レシピ
お米や小麦製品と比べると重さあたりのカロリーが低めのじゃがいも。
主食をじゃがいもで代用した簡単レシピを紹介します。
マカロニ代用!じゃがいもミートグラタン
【材料】1人分
じゃがいも | 1個(150g) |
冷凍ブロッコリー | 60g(1/2袋) |
市販ミートソース | 1人分(80~130g程度) |
ピザ用チーズ | 20g |
※横スクロールで表全体の確認が可能です。
【作り方】
- じゃがいもは皮をむいて一口大に切り、さっと水にさらす。
- 耐熱容器にじゃがいもを入れてふんわりラップをし、電子レンジ500wで3分加熱する(串やフォークがすっと入ればOK、固ければ30秒ずつ追加)
- 冷凍ブロッコリーを皿に移し、商品指示通り電子レンジで加熱する。(例・ラップをして500wで1分30秒)
- オーブン使用可の器に市販ミートソースを移し、電子レンジで商品説明の通り温める。(例・ラップをして500wで1分30秒)
- ミートソースにじゃがいも、ブロッコリーを加えてさっと混ぜ合わせ、ピザ用チーズをのせる。
- トースターで10分程度、チーズに焦げ目がつくまで焼く。
【栄養価】
エネルギー366kcal たんぱく質15.0g 脂質15.2g 炭水化物43.8g うち食物繊維7.5g 食塩相当量3.0g
※市販のミートソースの栄養成分によって変動します
レンジとトースターでできる簡単ミートグラタンです。
マカロニ50gを使用した場合と比べて約80kcalカット。食物繊維も多めにとれます!
まとめ
低エネルギー(カロリー)でビタミン・ミネラルが豊富な主食としても優秀なじゃがいも。
調理に使う油の量にはくれぐれも注意しながら、活用してみてくださいね。
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参考文献 農林水産省:「食品中の天然毒素「ソラニン」や「チャコニン」に関する情報」 |