身近な食材でありながら、知らないことも多いこんにゃく。
どんなものからできていて、どんな栄養素が含まれているのでしょうか?
こんにゃくに含まれる栄養素と、おすすめの活用法を紹介します。
Contents
こんにゃくの栄養素
こんにゃく100gに含まれる主な栄養成分は、以下のようになっています。
こんにゃく | |
エネルギー | 5 kcal |
水分 | 97.3 g |
たんぱく質 | 0.1 g |
脂質 | 微量 |
炭水化物 | 2.3 g |
食物繊維 | 2.2 g |
*100gあたり、日本食品標準成分表2015年版(七訂)より作成
こんにゃくに含まれる栄養素について、特徴的なものを紹介します。
カロリー
こんにゃくのカロリーは100gあたり5kcalです。
こんにゃくはほとんど水分でできており、残りは食物繊維です。
そのため、たんぱく質、脂質、糖質といった体内でエネルギー源となる成分はほとんど含まれていません。
こんにゃくは低カロリー食材として認知されている野菜類やきのこ類と比べても、かなりカロリーが低いことが特徴的です。
食物繊維
こんにゃくを構成する成分のうち、水に次いで多いのが炭水化物のうちの食物繊維です。
食物繊維は便秘予防や将来の生活習慣病リスクを下げるためにも、摂取量を増やしたい栄養素のひとつ。
野菜やキノコ、お米などの穀類から摂取することができますが、これらの食材と比べても、こんにゃくは摂取エネルギーを増やさずに食物繊維の摂取量を増やせるのが魅力です。
こんにゃくに含まれる食物繊維は「グルコマンナン」と呼ばれる種類のもので、こんにゃくの独特の触感のもととなる成分です。
もともと、グルコマンナンは食物繊維のうちのひとつです。
食物繊維には
- たっぷりの水を含んでゲルになる水溶性食物繊維
- 水に溶けず腸管を刺激する不溶性食物繊維
の2種類があります。
グルコマンナンは水溶性食物繊維のひとつですが、こんにゃくの製造過程で不溶化し、こんにゃくとして食べるとき、体内では不溶性食物繊維としてはたらきます。
こんにゃくゼリーなど、凝固剤を使用していない食品の場合には水溶性食物繊維として体内ではたらくため、どのような食品からとるかによっても体内でのはたらきが違ってきます。
こんにゃくとは
こんにゃくはその形状により、さまざまな種類があります。
「糸こんにゃく」や「しらたき」も形状が違うだけの「こんにゃく」です。
糸こんにゃくはこんにゃくと同じく黒いつぶつぶのあるものを、しらたきは真っ白いこんにゃくを細長くしたもの。
そのほか、ボール状の「玉こんにゃく」や生食できる「刺身こんにゃく」などもあります。
用途に合わせて、様々な使い方ができるのもこんにゃくの特徴です。
さまざまな種類のあるこんにゃくの原料について紹介します。
原料はコンニャクイモ
こんにゃくの原材料は「こんにゃく芋」と呼ばれる芋の一種。
生の状態ではシュウ酸カルシウムという成分が人体に毒性を持つため、そのままでは食べられません。
このこんにゃく芋を乾燥させて細かい粉末状にし、水を加えてよく練ったものに凝固剤として水酸化カルシウムや炭酸ナトリウムを加え、熱を加えることで固めて作られます。
昔の製法では、凝固剤は植物を燃やした灰を水に溶いたものを使っていたそうです。
黒いつぶつぶは海藻の粉末
また、一般的なこんにゃくには、真っ白なものと、黒いつぶつぶの練りこまれたものがありますが、こんにゃくに含まれる黒いつぶつぶは、実はひじきなどの粉末。
こんにゃく芋の皮が混じった昔ながらのこんにゃくの見た目を再現するために加えられているそうです。
こんにゃくのダイエット効果
こんにゃくはダイエット向きの食材としても知られています。
その理由は、以下の2点。
- 低カロリーであること
- 食物繊維が便通を促すこと
それぞれについて解説します。
低カロリー
こんにゃくのエネルギー(カロリー)は、100gあたり5kcal。
低カロリーなことで知られるきのこ(例・えのきたけ…22kcal/100g)、野菜類(例・キャベツ…15kcal/100g)と比較してもかなり低い数字です。
食材のひとつとして取り入れることで、摂取カロリーはほとんど増やさずに食べ応えをアップできます。
ついつい食べ過ぎてしまう人でも、こんにゃくであればほとんど摂取エネルギーに影響しないので、ストレスなく摂取エネルギーカットにつなげられそうです。
こんにゃくは同じくかさましに使われる野菜類やお豆腐などと比べて噛み応えがしっかりしているのもポイントです。
しっかり噛んで食べることで、食事スピードも抑えられ、早食い防止にも役立ちそうです。
また、こんにゃくをカサ増しとしてではなく、料理のメイン食材として使うことも可能です、
しらたきを麺の代わりに活用したものや、お米に混ぜ込んで一緒に炊くことでカロリーオフできる「こんにゃく米」も存在します。
いずれも普通のこんにゃくを代替するよりもそれぞれの食事になじむように開発されていますので、食事制限のストレスを少なくしたい方は試してみるのもいいかもしれませんね。
ダイエット中のカロリー管理に、自分の消費カロリーを計算できるページはこちら
便秘解消効果
こんにゃく100gには、2.2gの食物繊維が含まれています。
こんにゃくに含まれる不溶性食物繊維は腸管内で消化されず、便の骨組みとなって便の量を増やし、腸管を刺激して腸の蠕動運動を活発にし、排便を促すはたらきをもちます。
ごはんなどの穀物は食物繊維の摂取源として重要ですが、ダイエットによって食べる量が減ると食物繊維の摂取量も減ってしまいます。
こんにゃくは摂取エネルギーを抑えながら食物繊維の摂取に役立つ食品です。
便のカサを確保して便秘を予防する意味でも、こんにゃくは有効な食材ですね。
こんにゃくの低カロリーレシピ
こんにゃくを活用した低カロリーレシピを紹介します。
食物繊維の摂取量アップやダイエット中の低カロリーな食材として、蒟蒻を上手に活用してくださいね。
こんにゃくの甘辛炒め
【材料】
2食分
板こんにゃく | 1枚(250g) |
しょうゆ | 大さじ1(18g) |
みりん | 小さじ1(5g) |
砂糖 | 小さじ1(4g) |
ごま油 | 小さじ1/4(1g) |
※横スクロールで表全体の確認が可能です。
【作り方】
1. 板こんにゃくを一口大にちぎる。
2. 鍋に水とこんにゃくを入れて火にかけ、沸騰してから2分くらいまでゆでる。
3. こんにゃくをざるにあけ、水気を切ったら油を敷いていない鍋やフライパンに入れ、乾煎りする。
4. こんにゃくの表面が乾くくらい水分が飛んだら調味料をすべて加え、こんにゃくに絡ませながら煮詰める。
5. たれが少し残るくらいになったら出来上がり。
【栄養価】
1食分31kcal 食物繊維2.8g
甘辛味で食べ応えがありますが、エネルギー(カロリー)は控えめのおかずです。
作り置きやお弁当のおかずにもぴったりです。
しらたきペペロンチーノ
【材料】
1食分
しらたき | 1袋(200g) |
オリーブオイル | 小さじ2(8g) |
にんにく(薄切り) | ひとかけ(5g) |
鷹の爪唐辛子(輪切り) | お好みで |
ベーコン(1㎝幅) | 40g |
しめじ(小分けにする) | 1/2パック(50g) |
塩 | 小さじ1/3(2g) |
※横スクロールで表全体の確認が可能です。
【作り方】
1. 鍋に水としらたきを入れて火にかける。
2. フライパンにオリーブオイル、にんにく、鷹の爪を入れ、弱火にかける。
3. にんにくの香りが出てきたらベーコンとしめじを加えてさっと炒める。
4. しらたきをゆでている鍋が沸騰したら2分ほどゆで、ざるに取る。
5. しらたきをフライパンに加えて混ぜ合わせ、塩で味を整えてできあがり。
【栄養価】
1人分266kcal 食物繊維8.1g
パスタをしらたきに変えることで、350kcal以上をカットできます。
しらたきはそのまま炒めてしまうと独特の臭みが残ってしまうため、水からゆでてくださいね。
市販のこんにゃく麺を活用するのもおすすめです。
こんにゃくの注意点
低カロリーで食物繊維が取れるこんにゃくですが、食べ方には注意が必要です。
安全に、おいしく食べるためのポイントを2点紹介します。
食べすぎに注意
こんにゃくに含まれる不溶性食物繊維は、腸内で便の骨組みとなって腸を刺激し、排便を促す働きがありますが、とればとるほどお腹の調子が整うといったものではありません。
度を越してとりすぎると排便が妨げられ、腸閉塞につながる恐れがあります。
あくまでたくさんの種類の食材のひとつとして、適度な範囲で取り入れるのがよいでしょう。
冷凍すると食感が変わる
基本的にこんにゃくは冷凍に適さない食材です。
いちど凍ったこんにゃくを回答すると、水分が抜けてスポンジのような状態に。
食感が大きく変わってしまうため、冷凍前と同じようにはならないのが難点です。
しかし、最近ではこの食感の変化を逆手に取り、冷凍こんにゃくをお肉に代用するなどの使い方もあるようです。
お好みに合わせて、トライしてみるのもいいかもしれませんね。
まとめ
食物繊維の摂取源として、また、低カロリー食材として。
使い道豊富なこんにゃくをぜひ活用してくださいね。
【消費カロリー管理に便利】スマートウォッチのおすすめ商品ランキングのページはこちら
【おすすめ】普段の食事を置き換えてカロリーオフと栄養バランス改善ができるダイエット用宅配食のご紹介
置き換えダイエットにおすすめ商品ランキングのページはこちら
参考文献 |