和・洋・中を問わず、幅広い料理に使われる食材である「たまご」。
価格が安定しており、さらに栄養豊富なイメージがあるため、「完全栄養食」といわれることも。
その一方で、食べ過ぎてはいけないといわれることも少なくありません。
今回はたまごの栄養素や食べ方、健康とのかかわりについて紹介します。
Contents
卵1個に含まれるカロリーと栄養素
たまご(鶏卵)は身近な食材ですが、幅広い栄養素を含む食品です。
卵1個には含まれているカロリーと主要な栄養素は以下のようになっています。
栄養素 | 卵1個(50g)あたりの含有量 |
エネルギー(カロリー) | 71kcal |
たんぱく質 | 6.1g |
脂質 | 5.1g |
炭水化物 | 0.2g |
文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より作成
卵に含まれる栄養素量やカロリーについて、卵と近い食品グループ(主にたんぱく源になる食品)に属する牛乳や肉類と比較しながら、詳しく見ていきましょう。
カロリー
卵1個50gあたりのカロリーは71kcalです。
100gあたりのカロリーで牛乳や豚ロース肉と比較した場合には以下のようになります。
食品名 | 100gあたりのカロリー |
普通牛乳 | 61kcal |
鶏卵(全卵・生) | 142kcal |
豚ロース肉(皮つき・生) | 248kcal |
文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より作成
食品は一般的に水分の割合が高くなるほどエネルギー(カロリー)が低く、脂質が多いほどエネルギー(カロリー)が高くなります。
同じたんぱく源では、たまごの重さあたりのカロリーは液状で水分の多い牛乳と、固形の肉類の間くらいの含有量となっています。
たんぱく質が摂れる固形の食品としては比較的低カロリーな部類といえるでしょう。
たんぱく質
たまごに含まれる主な栄養素は「たんぱく質」です。
卵1個には6.1gのたんぱく質が含まれており、これは18歳以上のたんぱく質摂取推奨量の1割程度を補うことができる量です。
たんぱく質は全身の細胞の材料となる重要な栄養素のひとつであり、健康維持のためには毎日の食事からの適量摂取が重要です。
牛乳や豚ロース肉とのタンパク質含有量を比較した表がこちら。
食品名 | 100gあたりのたんぱく質 |
普通牛乳 | 3.3g |
鶏卵(全卵) | 12.2g |
豚ロース肉(皮つき・生) | 19.3g |
文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より作成
たんぱく質含有量をそれぞれ100kcalあたりに計算しなおした場合、以下のようになります。
- 牛乳…5.4g/100kcal
- 卵…8.59g/100kcal
- 豚…7.78g/100kcal
卵はこれらの食品の中でも100kcalあたりのたんぱく質含有量が高く、カロリーを抑えつつたんぱく質を摂るのに適した食品のひとつといえます。
脂質
卵1個50gあたりに含まれる脂質は、5.1gとなっています。
そのうち、コレステロールは185㎎含まれています。
卵に含まれる脂質を、牛乳・豚肉と比較した場合には以下のようになります。
食品名 | 100gあたりの脂質 |
普通牛乳 | 3.8g |
鶏卵(全卵) | 10.2g |
豚ロース肉(皮つき・生) | 19.2g |
文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より作成
たまごはたんぱく質の量のわりに脂質が少なく、比較的「高たんぱく低脂質」な食品といえます。
一方、たまごは日常的に食べる食品の中でも特にコレステロールを多く含む食品です。
食品名 | 100gあたりのコレステロール |
普通牛乳 | 12㎎ |
鶏卵(全卵) | 370㎎ |
豚ロース肉(皮つき・生) | 61㎎ |
文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より作成
食品に含まれるコレステロールは血中LDLコレステロール値に影響することから、コレステロールを多く含むたまごは「1日1個まで」といわれることも。
血液検査で問題のない人はさほど気にする必要はありませんが、血中コレステロール値が気になる人にとっては注意が必要な場合もあります。
卵とコレステロールについては、記事後半で詳しく解説します。
ビタミン
卵は他の食品と比較して、ビタミンA、ビタミンDを多く含む食品です。
卵1個あたりでは、ビタミンAは105㎍RAE、ビタミンDは1.9㎍含まれています。
食品名 | ビタミンA | ビタミンD |
普通牛乳 | 38㎍RAE | 0.3㎍ |
鶏卵(全卵) | 210㎍RAE | 3.8㎍ |
豚ロース肉(皮つき・生) | 6㎍RAE | 0.1㎍ |
文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より作成
ビタミンAは視力の維持や皮膚・粘膜の健康維持にかかわる栄養素で、ビタミンDはカルシムの吸収を助けて骨や歯の維持にかかわっており、いずれも体の健康状態を維持するのに必要な栄養素です。
卵1個からとれるビタミンAは成人の摂取推奨量の1割強、ビタミンDは摂取目安量の2割程度となっています。
ミネラル
また、ミネラルでは、たまごは鉄を比較的多く含むことが知られています。
卵1個からとれる鉄分は0.8㎎です。
食品名 | 鉄 | カルシウム |
普通牛乳 | 0㎎ | 110㎎ |
鶏卵(全卵) | 1.5㎎ | 46㎎ |
豚ロース肉(皮つき・生) | 0.3㎎ | 4㎎ |
文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より作成
鉄分は血液中の赤血球を構成する成分のひとつであり、貧血予防のために重要な栄養素のひとつです。
月経のある女性では不足しやすいため、さまざまな食品から幅広くとることが重要です。
卵が完全栄養食といわれる理由とおすすめの組み合わせ
卵は「完全栄養食」とも呼ばれますが、これは良質なたんぱく源であるため。
その一方で、たまごだけで健康維持のために必要な栄養素がすべて取り切れるわけではありません。
卵が完全栄養食といわれる理由と卵の栄養を補うおすすめの食材の組み合わせについて解説します。
アミノ酸スコアが100の良質なたんぱく源
卵からとれる栄養素の主たるものが、タンパク質であり、卵に含まれるたんぱく質は質的にも優れた内容となっています。
たんぱく質はアミノ酸が鎖のようにつながった構造をしていますが、そのアミノ酸の中でも体内で作り出すことのできない「必須アミノ酸」は、毎日の食事から十分にとる必要があります。
ヒトが必要とする量に対し、その食品に必須アミノ酸がどれだけ十分に含まれているかといった「たんぱく質の質」を表す「アミノ酸スコア」という指標があります。
たまごのアミノ酸スコアは「100」となっており、良質なたんぱく質食品です。
同じくアミノ酸スコア100の牛乳や豚肉と比較すると、たんぱく質の含有量も牛乳と豚肉の間となっています。
さらに、牛乳や豚肉と比較して、たまごはビタミンAをはじめとしたビタミン類、鉄分といった栄養素を比較的多く含んでいます。
エネルギー(カロリー)は低くビタミンなどの栄養素が豊富なため、「完全栄養食品」などと呼ばれるのはこのためかもしれませんね。
卵だけで必要な栄養素すべては取れない
卵は完全栄養食品、といわれることもありますが、実際には他の食品と比べて優れた部分とそうでない部分の両方が存在しています。
卵が様々な栄養を豊富に含むとされる一方、比較対象とされる豚肉はビタミンB1を、牛乳はカルシウムを多く含むことが知られています。
また、野菜や果物に含まれるビタミンCは、たまごをはじめ肉にも牛乳にもほとんど含まれていません。
たまごは栄養素が豊富に含まれている食品ではあるものの、たまごだけですべての栄養素がまかなえる、というものではありません。
具体的には、以下のような栄養素はたまごから十分量を摂取するのは難しいといえます。
- 脂質
- 炭水化物
- 食物繊維
- ビタミンC
また、それぞれの栄養素の主な摂取源を簡単にまとめると、以下のようになります。
- 脂質…肉や魚の脂身、油脂類
- 炭水化物…穀類など
- 食物繊維…穀類、野菜類、きのこ類など
- ビタミンC…野菜、果物など
よって、バランスのとれた食事をとるには、上記のような「たまごに足りない栄養素を補える食品」を組み合わせるのがおすすめです。
主食を加える
卵をベースにバランスのとれた食事とするためのポイント一つ目は、「主食」を加えることです。
主食とは、米や小麦といった穀類、および穀類を原料とする食品のこと。
具体的には、以下のようなものが挙げられます。
- 米飯
- パン
- 麺
卵を使った料理をメインのおかず(主菜)とした場合、主食に分類される食品を組み合わせると栄養バランスが整います。
- ごはん+生卵
- パン+オムレツ
- うどん+半熟卵
野菜を加える
卵をベースにバランスのとれた食事とするためのポイントふたつ目は、「野菜」を加えることです。
野菜は食物繊維やビタミンCの摂取源となる食品です。
また、重さあたりのカロリーが低いため、食事全体のカロリーを抑えつつ、満足感を高めることにも役立ちます。
また、野菜と近い成分構成の食品として、
- 海藻類
- キノコ類
- 果物類
もおすすめです。
具体的な活用例としては、以下のようなものが挙げられます。
- ごはん+生卵+野菜の味噌汁
- パン+オムレツ+サラダ
- うどん+半熟卵+わかめトッピング
肉や魚も取り入れる
また、たまごは優秀なたんぱく質源ですが、同じくたんぱく源となる食品である肉類や魚類も取り入れていくことが重要です。
卵は他のたんぱく源と比較して、
- 脂質やカルシウム、一部のビタミンが少ない
- コレステロールが多い
という特徴があります。
コレステロールをとりすぎないようにしながらたまごに少ないカルシウムやビタミン類、体に必要な適量の脂質などを効率的にとることを考えると、適度に肉類や魚介類を取り混ぜていくのがおすすめです。
卵の栄養に関する疑問
市販されている卵の種類は幅広く、せっかくなら健康によい選び方・食べ方をしたいという方は少なくないのでは?
たまごはものによって殻の色や黄身の色味に違いがありますが、殻や黄身の色が異なることで栄養価に違いは出るのでしょうか?
殻の色で栄養価は変わる?
殻の白いたまごと茶色いたまご。
どちらもたまご売り場で見かけますが、殻の色は栄養価とは関係なく、どちらが体に良いということはありません。
殻の色は、たまごを産むにわとりの「品種」によって決まります。
名前のついたブランドたまごに茶色たまごが多いことから、茶色たまごのほうが良いもの、というイメージがついたと考えられていますが、殻の色が茶色だからと言ってかならずしもブランド卵というわけではなく、味や栄養価と殻の色とには直接の関係はありません。
黄身の色で栄養価は変わる?
赤みがかった濃い色の黄身のたまごを見ると、なんとなく「おいしそう」「栄養がたっぷり」に見えますが、黄身の色も栄養価とはかかわりがなく、たまごを産んだ鶏の食べていた「えさ」の色がたまごに移行しているだけなのです。
通常、鶏のエサはトウモロコシなどを与えていますが、その場合の卵の黄身の色は黄色です。
パプリカなどの赤色のえさを与えると黄身は赤みがかった色になるそうです。
トウモロコシやパプリカを少なく、色素の少ないコメなどを餌として与えたたまごの黄身は白っぽくなることが分かっています。
有精卵・無精卵で栄養価は変わる?
有精卵・無精卵の違いは卵が受精しているか否かの違いであり、含まれる栄養素に違いはありません。
栄養価以外では、保存温度が20℃以上になると有精卵では品質劣化が起こりやすくなることが分かっています。
有精卵を購入した場合には、冷蔵庫での保管が必須になるといえるでしょう。
生食・加熱で栄養価は変わる?
加熱によって卵に含まれる栄養成分の量に違いが出るといわれることもあります。
これは熱によってビタミンの一部が壊れてしまうことから始まった説であるようですが、実際には栄養素摂取に大きな影響があるほどの変化はありません。
バランスのとれた食生活のためには、非加熱のみの調理法にこだわりすぎて食事のバリエーションが狭まってしまうのも望ましいことではありません。
栄養素の摂取効率はひとまず置いておき、おいしく食べられることが大事です。
卵の食べ過ぎが良くない理由
卵はたんぱく質を多く含む食品の中でも、低価格で日持ちしやすく、使い勝手の良い食品といえます。
しかし、その一方で「卵は1日に1個まで」といわれることも。
卵はたんぱく質に富む食品である一方、食べすぎは避けるべきともいわれます。
その理由を簡単にまとめると、以下の2点が挙げられます。
- 卵はコレステロールを多く含む食品であること
- 食品由来のコレステロールは血中コレステロール値を介して生活習慣病リスクに影響すること
それぞれの項目について、詳しく解説します。
コレステロールとは?
「コレステロール」とは、脂質の一種であり、私たちの体の中で様々な働きを持つ物質です。
- 細胞膜を構成する
- 胆汁酸をつくるもととなる
- ホルモンをつくるもととなる
コレステロールはヒトの体にとって必要な物質であるものの、血液中でコレステロールが増えすぎると健康上の問題を引き起こします。
空腹時の血中LDLコレステロール値が140㎎/㎗以上になると、生活習慣病のうち、脂質異常症のひとつである「高LDLコレステロール血症」と診断されます。*1)
高LDLコレステロール血症を含む脂質異常症は、動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞の危険因子となることから、自覚症状がなくとも、改善のための取り組みが必要となります。
食品から摂取されたコレステロールは血中コレステロール値に影響を与えることから、コレステロールを多く含む食品(特に卵)は、過剰に食べるべきではない、といわれるようになったようです。
卵のコレステロール含有量
コレステロールは食品にも含まれており、卵(特に卵黄)は食品成分表に収載されている食品の中でも特にコレステロールを多く含む食品といえます。(乾物を除く)
同じたんぱく源である肉類と比較した場合の含有量は以下のようになっており、大きな差があります。
食品名 | 100gあたりのコレステロール含有量 |
牛肩ロース | 71mg |
豚肩ロース | 69mg |
鶏モモ | 89mg |
全卵 | 370mg |
*2)文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より作成
卵以外にコレステロール含有量の高いものとしては、
- あんこうのきも
- フォアグラ
- すじこ
- うずら卵
- たらこ
- かずのこ
これらが挙げられますが、卵は他の食品と比較して頻繁に食べる機会があるため、特にコレステロールの摂取過多につながりやすいと考えられています。
また、コレステロールは脂質の仲間ですが、エネルギー源として使われないためコレステロールそのものにカロリーはありません。
そのため、高エネルギー(カロリー)な食品かそうでないかはコレステロール量にはあまり関係ありません。
コレステロールの摂取基準
2023年現在、健康診断等で脂質代謝に異常が見られない人の場合には、コレステロールの摂取量について明確な摂取上限値はありません。
コレステロールは食品からとる以外に、体内でも作られる物質です。
脂質代謝に異常がない人では、食事から摂取した分と合わせて必要な量になるように調整される仕組みがあるため、コレステロールの摂取量にかかわらず、血液中のコレステロールの量はほぼ一定に保たれています。
よって、「食事からのコレステロール摂取量が直接血中総コレステロール値に反映されるわけではない」ということから、現在では食事由来のコレステロールについての摂取上限値は設定されていません。
ただし、脂質代謝に異常がなければ毎日何個も食べてよい、という訳ではありません。
「食事から摂取したコレステロールが直接血液中のコレステロールを必ずしも増やすわけではない」とされているものの、「食事からのコレステロール摂取量は血中LDLコレステロール値とは無関係」といわれているわけではなく、日本人の食事摂取基準2020年版では、コレステロールの摂取量が設定されていないことについて、「許容されるコレステロール摂取量に上限がないことを保証するものではない(=いくらでも食べて良いわけではない)」としています。
現行の食事摂取基準(2020年版)ではコレステロールの摂取量の基準は設けられていませんが、過去の日本人の食事摂取基準(2010年版)では、コレステロールの摂取基準値が定められていました。
このときの数値は、18歳以上の男性で1日750㎎未満、18歳以上の女性で1日600㎎未満とされていました。
卵は1日何個まで?適量を解説
卵1個50gに含まれるコレステロールはおよそ185㎎ですが、1日に食べても良い個数は何個まででしょうか?
健康状態に問題のない人の場合、脂質代謝に異常がある人の場合に分けて解説します。
健康な人は上限の規定なし
脂質代謝に異常がない人の場合、コレステロールの摂取基準は設定されていないため、基本的には「1日何個まで」という決まりはありません。
とはいえ、いくら食べても健康に悪影響はないとは言えませんので、過去の基準値を参考に、大きく逸脱しない範囲で食べるようにすると安心です。
日本人の食事摂取基準(2010年版)では、コレステロールの摂取基準値は18歳以上の男性で1日750㎎未満、18歳以上の女性で1日600㎎未満とされていました。
卵1個に含まれるコレステロールはおよそ185㎎であることと、卵以外の食品からもコレステロールは摂取されることを考慮すると、たまごに関しては1日あたり1~2個までが健康的な摂取量といえそうです。
〈h3〉脂質異常症の場合は1日1個未満
脂質異常症と診断された場合には、コレステロールの摂取上限が定められています。
「動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版」では、高LDLコレステロール血症患者ではコレステロール摂取を200㎎/日未満とすると血中LDLの低下効果が期待できるとしていることから、食事摂取基準(2020年版)でも、「脂質異常症の重症化予防の目的としては200㎎/日未満にとどめることが望ましい。」としています。
卵1個に含まれるコレステロールは250㎎程度となっていますので、脂質異常症が指摘されている場合の適量は、1日1個未満と判断することができます。
卵を食べるときは1日1個までで1日おきにするなど、摂取ペースを意識する必要がありそうですね。
卵以外の気を付けるポイント
血中LDLコレステロール値が高い場合、食事からのコレステロール摂取量が気になるポイントです。
実は、血中コレステロール値に影響を与える要因は食事から摂取したコレステロール以外にもあることが分かっています。
具体的には、以下のようなものが挙げられます。
- 飽和脂肪酸
- 摂取カロリーと肥満
- 食塩と高血圧
- 運動不足
- 喫煙
コレステロールの多い食品の食べすぎに気を付けるとともに、気を付けたいポイントについて解説します。
飽和脂肪酸
飽和脂肪酸は脂質の構成成分のひとつです。
摂取量が多すぎると血中のLDLコレステロールを増やす働きがあるため、取りすぎないように気を付けたい栄養素のひとつです。
飽和脂肪酸を多く含む食品は、
- 肉類の脂身
- 脂肪分の多い乳製品(バターなど)
が挙げられます。
摂取量をゼロにする必要はありませんが、脂身の多い肉類やバターを多く使う習慣がある場合には、肉を魚に切り替えたり、バターを植物油に切り替えたりなどの対策が有効です。
肥満と摂取カロリー
摂取カロリーが増えて肥満になると、高LDLコレステロール血症を含む脂質異常症全般になりやすくなります。
また、後述する高血圧などほかの生活習慣病のリスク因子でもあるため、生活習慣病予防のためには肥満予防が大きな要素のひとつとなります。
肥満予防のためには、日常的に体重を計り、体重が増えすぎないように食事量を調整する習慣がついていると理想的です。
また、食事のカロリー管理を行う場合、自分の年齢・性別・身長・普段の身体活動量から消費カロリーを把握しておくと便利です。
自分の年齢・性別・身長・普段の身体活動量から消費カロリーを計算できるページはこちら
高血圧と食塩
高血圧は血管内の圧力が高まった状態で、脂質異常症とともに心筋梗塞や脳梗塞のような「動脈硬化性疾患」のリスクを高める要因です。
食塩(ナトリウム)の摂取過剰は高血圧の主なリスク因子のひとつです。
日本人の食生活では、ほとんどすべての人が食塩の過剰摂取の状態にあるため、高血圧を指摘される前の段階から、減塩を心掛けることが必要です。
減塩について詳しく解説した記事はこちら
運動不足
運動不足によって消費カロリーが少ない状態では肥満になりやすくなります。
そのため、肥満及び脂質異常症の予防のため、運動不足にならないように運動習慣が作れるとよいでしょう。
また、すでに脂質異常症と診断されている人の場合には、運動を行うことで血中脂質の改善がみられることが分かっており、治療の一環として運動を行うことが勧められています。
激しいスポーツを行う必要はなく、1日のうちで座ったままの時間を減らし、歩く時間を増やすなど、無理のない範囲で運動量を増やしてみてくださいね。
ウォーキングの消費カロリーについて詳しく解説した記事はこちら
喫煙
喫煙は血中コレステロールや脂質異常症に直接的にかかわるわけではありませんが、血管の炎症・収縮を引き起こすため、脂質異常症の先にある動脈硬化性疾患のリスクを高める要因のひとつです。
呼吸器疾患の予防だけでなく、生活習慣病を予防し食事を楽しむためにも、喫煙は改善すべき生活習慣のひとつといえるでしょう。
まとめ
卵はたんぱく質を中心として、さまざまな栄養素を豊富に含む食品のひとつです。
比較的低脂質なたんぱく源として、使いやすい点が魅力といえるでしょう。
一方でコレステロールを多く含むことから、摂取量には注意が必要な場合もあります。
生活習慣病予防のための「たまごは1日何個まで」といった明確なルールは存在しませんが、通常の範囲を超えた量を食べることが習慣になるのは避けたほうがよいでしょう。
また、血中コレステロールが気になる人は、たまごや食品に含まれるコレステロールだけでなく、飽和脂肪酸や運動習慣についても見直す機会が作れると理想的です。
血中コレステロール値が高い場合の食事について詳しく解説した記事はこちら
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参考文献 *2)文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2020年版(八訂)」 厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」 報告書 厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会」 報告書 佐々木 敏:データ栄養学のすすめ.女子栄養大学出版部,2018. 厚生労働省e-ヘルスネット:「脂質異常症を改善するための運動」 農林水産省:「広報誌 aff 2018年9月号」 |