1年を通じて低価格で流通し、なおかつ価格も変動しにくくお財布にやさしい「豆苗」。
うれしいのはお値段だけではなく、栄養価も高いところなのです。
この記事では、豆苗に含まれる栄養素と効果的な調理法について解説します。
簡単レシピや再生栽培のやり方についても紹介しますので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
Contents
豆苗とは
緑色のカイワレ大根のような見た目の豆苗。根元には豆がついています。
豆苗は豆を発芽させた若い芽を食べる野菜で、「豆」部分はエンドウ豆です。
エンドウ豆はみつ豆や甘納豆に使われる豆で、品種の違いはありますが、未成熟の豆はグリンピースとして、若いサヤはさやえんどう(きぬさや)、スナップエンドウとしても良く知られていますね。
エンドウ豆の芽を食材として食べる豆苗は中国から日本に伝わったといわれています。
豆苗のカロリーと栄養素
豆苗は野菜類に属する食品で、低カロリーながら食物繊維が豊富なのが魅力です。
ひょろひょろと一見頼りない印象の豆苗ですが、実はβカロテンを豊富に含む「緑黄色野菜」であり、その他のビタミンも豊富です。
豆苗1パックの可食部100gあたりに含まれるカロリーと栄養素を紹介します。
カロリー
豆苗100gあたりのカロリーは27kcalです。
野菜類の中でもカロリーが低い部類であり、食べ過ぎが摂取カロリー過剰につながることはほぼありません。
通常の食材としてのほか、ダイエット中のカサ増し食材としてもおすすめです。
糖質・食物繊維
食品に含まれる糖質と食物繊維を合わせたものが炭水化物です。
豆苗100gに含まれる炭水化物は3.2g、そのうち食物繊維が2.2g、糖質は1.0gです。
食物繊維は十分に摂取することで生活習慣病の予防効果などがあることが知られており、健康のためには摂取量を増やしたい成分です。
豆苗に含まれる炭水化物は食物繊維が多くを占めており、食物繊維を「ちょい足し」するのに最適な食材とも言えますね。
ビタミンA
βカロテンは体内でビタミンAとして働きます。
ビタミンAは視覚や味覚の維持、皮膚や粘膜を健康に保つ働きがあります。
豆苗に含まれるβカロテンをビタミンAに換算すると、約1袋分100gで250㎍です。
この量で成人女性の摂取推奨量のおよそ1/3をまかなうことができます。
ビタミンK
ビタミンKは血液や骨を健康に保つのに必要なビタミンです。
豆苗1袋分約100gで210㎍を含み、成人女性の摂取目安量1日分をカバーできます。
ビタミンC
ビタミンCはコラーゲン合成にかかわるビタミンで、その他にも鉄分吸収の促進や、血管や皮膚の健康の維持、免疫機能にもかかわっています。
豆苗1袋分約100gで43㎎含まれ、成人女性の摂取推奨量の40%を摂取することができます。
葉酸
正常な血液・細胞の産生に必要で、胎児の神経系の形成にかかわることから妊娠前の女性にも注目されているビタミンです。
豆苗1袋分約100gで120㎍、成人女性の摂取推奨量の半分を摂取できます。
栄養素を活かす調理法
豆苗にはさまざまな栄養素が含まれていますが、せっかくなら無駄なく取り入れたいですね。
ポイントは、水溶性ビタミンを溶け出させないこと、栄養素の吸収率を高めることです。
電子レンジ調理で栄養素を逃さない
ビタミンCや葉酸といったビタミンは「水溶性ビタミン」に分類されており、水に溶けやすい性質を持っています。
そのため、ゆで調理を行うとビタミンの一部がゆで汁に流れ出してしまいます。
豆苗をサラダやあえ物に使うときは、ゆでるのではなく電子レンジで加熱して蒸すような調理を行うと栄養素を無駄なく食べることができます。
また、スープや炒め物に使うときは、下茹でなどはせず切ってそのまま使うことをおすすめします。
油を組み合わせて吸収率アップ
また、ビタミンAやビタミンKは「脂溶性ビタミン」であり、油に溶けやすい性質があります。
炒め物などの油を使った料理にすることで豆苗に含まれる脂溶性ビタミンが体に吸収されやすくなります。
豆苗を使った簡単レシピ
豆苗はアクなどもないため下ごしらえも簡単で火の通りも早く、手軽に取り入れられるところが魅力です。
簡単な調理で豊富なビタミンを活かせるレシピを紹介します。
ぜひ、お試しくださいね。
豆苗と落としたまごのお味噌汁
【材料】1人分
- 水…200ml
- 和風だしのもと(顆粒)…小さじ1/3(1g)
- 豆苗…1/2パック(50g)
- みそ…大さじ1(18g)
- たまご…1個
- ごま油…小さじ1/4(1g)
【作り方】
1. 豆苗は1/3の長さに切っておく。
2. 小さめの鍋に水と和風だしの素を入れて火にかけ、沸いたら豆苗と卵を割り入れ、卵が好みの固さになるまで煮る。
3. みそを溶かし入れ、ごま油を加えて器に盛る。
【栄養価】
1人分149kcal ビタミンA当量220㎍ 葉酸 98㎍ ビタミンC 22㎎ 食物繊維 2.0g
豆苗はキッチンバサミでカットしてもOKです。
短時間で野菜の栄養が摂れるので、時間がなくて炭水化物中心の食事になりそうな時に組み合わせると食事のバランスがとりやすくなります。
卵以外に油揚げも相性がいいのでアレンジしてみてくださいね!
再生栽培のやり方と注意点
栄養価以外に、豆苗の魅力と言えるのが「再生栽培」です。
再生栽培のやり方と、安全な食べ方を紹介します。
再生栽培の方法
再生栽培とは、一度カットした豆苗を育ててもう一度食べられるようにすること。
伸びた芽を切って使用した後、水につけておくと豆苗の根元に脇芽と呼ばれる部分から新しい芽が伸びてきて、再度切り取って食べることができます。
やり方は、芽を切り取ったあとの豆苗を水に浸しておき、1日ごとに水を取り替えるだけ。(夏場は1日2回ほど替えるとよいでしょう)
窓の近くで明るい室内に置いておけば、1週間から10日ほどで再び収穫することができます。
再生栽培は1回までにする
再生栽培は最大2回まで可能とされていますが、栄養価の低下や衛生面から、再収穫は1回で終えるのがおすすめです。
再生栽培で収穫した豆苗は工場のように温度管理がされていないので、生食は避け、火を通して食べるようにしましょう。
まとめ
時短調理が可能で栄養価も高い豆苗は、毎日忙しい人にとって心強い野菜です。
スーパーで見かけたら、ぜひ手に取ってみてくださいね。
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参考文献 文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」 厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会」 報告書 吉田勉 監修:「わかりやすい食品機能栄養学」.三共出版,2010. |