投稿日: 2019.12.11 | 最終更新日: 2023.07.27

アマランサスとは?栄養素と健康効果、食べ方を紹介

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アマランサスといろいろな食材

アマランサスという食材をご存じでしょうか?

日本ではこれまであまり食べられてきていない食材ですが、その栄養価から徐々に注目されつつある食材です。

アマランサスの栄養価と食べ方について紹介します。

アマランサスとは?

アマランサスは雑穀類に含まれる食品。
直径1~1.5㎜ほどのヒユ科の植物の種子で、薄い黄色の、扁平な粒の形状を持っています。

原産地はメキシコやグァテマラで、日本ではあまり一般的とは言えない食品ですが、その栄養価の高さが注目されています。

アマランサスの栄養成分

アマランサス 玄米
エネルギー 358kcal 353kcal
タンパク質 12.7g 6.8g
脂質 6.0g 2.7g
炭水化物 64.9g 74.3g
うち食物繊維 7.4g 3.0g
カルシウム 160g 9㎎
鉄分 9.4g 2.1㎎
*調理前100gあたり、
文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」より作成

エネルギー(カロリー)はキヌアと同じくらい、ゴマの代わりに使うなら低カロリー

エネルギー(カロリー)は玄米やその他の穀類とも大差なく、一般的な穀類と同等といえます。
乾煎りしてゴマのように食べる場合のエネルギーはいりごまの6割程度に抑えられます。

玄米と比較してたんぱく質・脂質・食物繊維・カルシウム・鉄分が豊富

白米に比べて食物繊維やミネラルに富む玄米と比較しても、

  • たんぱく質…約2倍

  • 脂質…約2倍

  • 食物繊維…約2.5倍

  • カルシウム…約18倍

  • 鉄分…約4.5倍

と、豊富に含まれています。

同じスーパーフードとして知られるキヌアに比べても多い含有量であり、アマランサスが栄養価の高い食品、というのは本当のようです。

キヌアの栄養価について詳しく解説した記事はこちら→キヌアの栄養はすごい?スーパーフードの栄養価|管理栄養士執筆

アマランサスの食べ方・調理法

栄養価の高いアマランサスですが、どのように食べるのがいいのでしょうか?

食べ方と注意点を紹介します。

お米のように炊くか、炒って食べるのが一般的

アマランサスは加熱して食べるのが基本です。

  • 同量~1.5倍ほどの水で炊いてごはんのように食べる

  • ゆでてサラダに加える

  • 炒ってゴマのように使う

また、白米や玄米に、1/10程度のアマランサスを加えて一緒に炊くこともできるようですが、水加減はアマランサスを加えた分だけ足す必要があります。

その他、ゆでてサラダに加える、または炒ってゴマのように使うこともできます。

プチプチした食感が特徴ですが、味にはさほど癖がなく、食べやすいといわれています。

アマランサスを調理するときの注意点:必ず加熱して

非加熱の状態では消化が悪いとされ、胃腸に負担をかける恐れがあるため、必ず加熱して使うようにしましょう。

アマランサスはスーパーフードってほんとう?

アマランサス

一般社団法人日本スーパーフード協会によると、スーパーフードとは、

・栄養バランスに優れ、一般的な食品より栄養価が高い食品であること。

・あるいは、ある一部の栄養・健康成分が突出して多く含まれる食品であること。

と定義されています。

アマランサスについては、たんぱく質・脂質・食物繊維・鉄分・カルシウムがほかの穀類に比べて豊富な食品です。

同じくスーパーフードとして知られているキヌアと見た目も栄養価も似ていますが、アマランサスのほうがより栄養素を多く含んでいます。

確かに栄養素は豊富に含むけれど…使用量の問題

アマランサスはスーパーフードの中でもさらに栄養価が高いことで知られていますが、それは100gで見た場合の話。

実際には、アマランサスはごはんに混ぜ込んで炊いたり、炒ったりしたものを少量トッピングするような使い方が一般的であり、一度に食べるのは乾燥状態で10g程度(炊いた状態で20g)が限度。
たくさん食べられるものではありません。

100gあたりの栄養価は高くとも、現実的に同じ量を食べられないのではよりよい摂取源とも言いにくいのです。
アマランサスはたんぱく質やカルシウム、鉄が豊富や食品ではありますが、摂取しやすさを考えると、肉類や乳製品といった身近な食品のほうが効率的な摂取源となりそうです。

いろいろな種類の食品を偏りなく取り入れたうえで、アマランサスはあくまで「ちょい足し」「補助的なもの」として、取り入れるのがちょうどいいと考えます。

まとめ

健康に良い、栄養価が高いといわれるものは世の中に多くありますが、どの食品に関しても「これさえあれば完璧」というものではありません。

「スーパーフード」とはいえ、少量を食べるだけで足りない栄養素をすべて補えることや、体に良い効果が起こることはほぼありません。
いくら体にいい成分があっても、その成分が効果を発揮する量に達していなければあまり意味はないためです。

反対に、多ければ多いほどいいとも言えません。
サプリメントなど、特定の食品成分や栄養素が濃縮された食品では、適量なら体にいいものも過剰摂取により体に悪影響を及ぼす例も多くあげられます。

何かひとつの食品に頼りすぎない・こだわりすぎないのがバランスのとれた食生活のコツです。

アマランサスは栄養価に優れた食品のひとつですので、頼りすぎないように、適度に取り入れるのがポイントです。

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参考文献

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」

一般社団法人 日本スーパーフード協会:「スーパーフードとは」

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。