投稿日: 2019.07.22 | 最終更新日: 2023.08.02

トマトにダイエット効果はある?やせるためのトマトの活用方法を紹介

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トマト

ダイエットや美容の話題に上げられることも多いトマトですが、ダイエットには効果的なのでしょうか?
トマトの効果的な取り入れ方と、噂のダイエット方法の効果について解説します。

トマトのダイエット効果

トマトサラダ

ダイエットや美容にプラスになるイメージのあるトマト。

ダイエットにおける主な利点は低カロリーであることで、活用することで食事のカロリーオフに役立ちます。

体脂肪を減らすためのダイエットとカロリーについて詳しく解説した記事はこちら

トマトの利点は低カロリーであること

ダイエットの原則は摂取エネルギーを消費エネルギーよりも少なくすることです。

トマトが持つダイエット効果は様々なものが話題になりますが、最も期待できる効果は「トマトはカロリーの低い食材である」という点です。

トマトの栄養面でのデータを以下に紹介します。

■トマトの栄養価(100gあたり)

トマト ミニトマト
エネルギー 20kcal 30kcal
水分 94.0g 91.0g
たんぱく質 0.7g 1.1g
脂質 0.1g 0.1g
炭水化物 4.7g 7.2g

*日本食品標準成分表2020年版(八訂)より作成

トマトは重量の9割以上を水分が占め、100gあたりのカロリーは20~30kcalと低いため、その他のカロリーの高い食品と置き換えることでカロリーオフ効果を得ることができます。

トマトとほかの食品のカロリー比較

一般的に食べる機会の多い食品とトマトで、100gあたりのカロリーを比較してみましょう。

食品名 カロリー
トマト 20kcal
白米ごはん 156kcal
木綿豆腐 73kcal
きんぴらごぼう(調理済み惣菜) 84kcal
肉じゃが(調理済み惣菜) 78kcal

*日本食品標準成分表2020年版(八訂)より作成

一般的に低カロリーでヘルシーといわれるような食材・料理と比較しても、トマトはカロリーが低い食品であることがわかります。

トマトのダイエット活用法

トマトを調理する

トマトをダイエットに活用する具体的な方法は大きく分けてふたつ。

  • 食事の一部をトマトに置き換えること
  • 物足りないときのカサ増しに使うこと

それぞれ解説します。

食事の一部をトマトに置き換える

トマトは数多くある食品の中でも特にカロリーが低いといえる食品のひとつです。

食事の中でおかずを一部トマトサラダに置き換えるなどすれば、その分のエネルギー(カロリー)オフが期待できます。

たとえば、コンビニのポテトサラダ(176kcal/1パック120g)→カットトマト(29kcal/1個)に置き換えると、食べる量は減っていないにもかかわらず、摂取カロリーを150kcalもカットすることができます。

トマト活用でカロリーオフ

物足りないときはトマトでカサ増しする

ダイエット中で食事の量を控えめにしたものの、全体量が少なく食事の満足感が足りないと、結局間食をしたりして摂取カロリーが増えてしまうといったことも起こりえます。

トマトは1個150gを足しても30kcalしか上乗せされないので、食事のボリュームを増やすのに最適です。

単純に重量が増えることでも食事の満足感は増えますが、トマトを大きめにカットしてよく噛んで食べることで満腹中枢を刺激し、摂取カロリーを抑えながら満足感を得ることに役立ちます。

トマトリコピンのダイエット効果

トマト

トマトの鮮やかな赤色はリコピンと呼ばれる色素成分によるものであり、赤色が強いほどリコピンを多く含みます。

リコピンは「カロテノイド」というグループに属する成分で、試験管内では活性酸素を除去する抗酸化作用などのはたらきを持つこと*1)が知られています。

また、一部ではダイエット効果があるとしてサプリメントの素材などに利用されているようですが、トマトリコピンを取り入れたダイエット方法には注意が必要です。

ダイエット効果について科学的根拠がないのが現状

リコピンは代謝を上げてダイエットに効果的…といわれることがあります。
しかし、実際にはリコピンに関してダイエット効果があるとする「ヒトを対象とした研究報告」はなく、リコピンのダイエット効果に科学的根拠はないようです。

トマトリコピン含有サプリメントのダイエット効果

その一方で、リコピンなどのトマト由来の成分が含まれていることでダイエット効果をにおわせて販売されているダイエットサプリやダイエット食品が存在します。
その製品にリコピンがどれだけ入っていても、そもそもリコピンに体脂肪を減らすようなダイエット効果はないため、そのようなサプリやダイエット食品にダイエット効果はありません。

かつてトマトの成分を含んだサプリメントが、根拠がないにもかかわらず飲むだけで痩せる効果があるかのように表示し、消費者庁から措置命令を受けています。

いまだにリコピンが含有されていることによってダイエット効果・美容効果をにおわせるダイエット用のサプリや食品が出回っていることがありますが、科学的根拠に基づいたものではないことは知っておきたいポイントですね。
トマト製品を飲むだけ、食べるだけで痩せる効果は期待できないことを知っておきましょう。

サプリメントや濃縮物は過剰摂取に注意

効果があるか確認できていないということは、「たくさん食べれば」「濃縮したサプリを飲めば」効果があるというわけではありません。

トマトの過剰摂取により健康被害を受けた例も報告されていることからも、むやみにたくさん食べたり、濃縮したサプリを飲むというのはおすすめできません。

特に、サプリのように濃縮されたものでは、通常ではありえない量の食品成分(今回の場合はリコピン)を一度に摂取することにつながります。

夜トマトダイエットのダイエット効果

サプリメント以外に、リコピンに注目したダイエット方法に「夜トマトダイエット」があります。
トマトに含まれる色素成分「リコピン」を夜に摂取することで、代謝を上げて(=カロリー消費を増やして)ダイエットにつなげるという方法です。

夕食にトマトを取り入れることで、これまで紹介したような摂取エネルギーを減らす効果が得られればダイエット効果はあり、と言えそうです。
しかし、トマトの成分であるリコピンが代謝を上げる・消費エネルギーを増やすという話には根拠がなく、その効果は期待できません。

トマトを使ったダイエットのNGパターン

トマトは低カロリーな食材のひとつで、上手に取り入れることでダイエットの強い味方となりますが、取り入れ方には少し注意が必要です。

  • トマトの加工品を使う
  • 普段の食事に足すだけ
  • 極端な食事制限

このような「トマトの利点を活かせないダイエット方法」にならないよう、注意しましょう。

トマトの加工品を使う

トマトの利点は食べ応えのわりにエネルギーが低いこと。

しかし、ゼロカロリーのお茶をトマトジュースに変えた場合はかえって摂取エネルギーが増えてしまいますし、
トマト料理もレシピによってはかなりカロリーが高いものもあるため、摂取エネルギーに注意して取り入れるのがいいでしょう。

いつもの飲み物をトマトジュースに替えたり、ランチのメニューをクリーム系からトマト系に替えてみたりすることで、摂取エネルギーが低くなれば意味がありそうです。

あくまでもダイエットの主体は「トマトを食べること」ではなく「摂取エネルギーを減らすこと」であることを忘れないようにしましょう!

普段の食事に足すだけ

トマトは低カロリーでダイエット向きの食品ではあるものの、トマトそのものに特別な「やせる効果」があるわけではないため、いつもの食事にトマトをプラス、という方法は正しくありません。

ダイエットによいトマトの取り入れ方は、トマトをおかずに取り入れてカロリーオフ、またはカロリーはそのまま食事の満足感アップ、が正解です。

極端な食事制限

トマトは低カロリーな食品であり、食事のカロリーを抑えるのに役立ちますが、食事のほとんどをトマトだけにするような極端な食事制限は絶対に避けましょう。

短期間で極端なカロリー制限を行うと、体調不良の原因になるほか、筋量の低下による基礎代謝の低下などから、リバウンドしやすい体になってしまいます。

まとめ

トマトはダイエットに活用できますが、特別な機能性よりも「カロリーが低いこと」がメインです。
トマトを食べているからほかのものは何をどれだけ食べてもいい、といったものではありません。
確実なダイエットのためには食事の管理と適度な運動を行ったうえでトマトを活用することをおすすめします。

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参考文献

*1)Di Mascio P.Kaiser S,Sies H (1989)Lycopene as the most efficient biological carotenoid singlet oxygen quencher Arch Biochem Bioρhys 274,534−538

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2020年版(八訂)」

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所:「健康食品」の安全性・有効性情報(トマト・リコピンについて)

消費者庁:「株式会社コマースゲートに対する景品表示法に基づく措置命令について」

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。