体脂肪が気になる人に、という広告などの影響で、トクホ飲料をダイエットに取り入れる人も多いはず。
トクホのお茶を飲むことで具体的にどれくらいのダイエット効果が得られるのでしょうか?
実際にトクホとして販売されている3種類の研究結果を比較してみました。
Contents
トクホのお茶のダイエット効果
これらの成分を含むトクホには、どのくらいダイエット効果があるのでしょうか?
ダイエットに関連するトクホのうち、3つの成分について紹介します。
それぞれのトクホについて、「だれが」「何をどうすれば」「何と比べて」「どうなったか」に分けてダイエット効果をみていきましょう。
茶カテキン
カテキンは緑茶などに含まれるポリフェノールの一種で、苦みや渋みのもととなります。
茶カテキンを含んだトクホとしては「ヘルシア」シリーズが有名です。
成分名 | 茶カテキン |
主なトクホ商品 | ヘルシア緑茶 |
許可表示(一部) | 体脂肪が気になる方に |
誰が(対象者) | BMI24~30の健康男性 閉経後の健康女性 |
どうすれば(摂取方法) | 1日1本、12週間摂取 |
どうなったか(結果) | 腹部内臓脂肪面積-9.0㎠ 腹部全脂肪面積-24.5㎠ BMI-0.5 体重-1.3㎏ |
ケルセチン配糖体
ケルセチンもカテキンと同様にポリフェノールの一種で、玉ねぎなどに含まれています。
ケルセチン配糖体の含まれるトクホとしては「特茶」などが有名ですね。
成分名 | ケルセチン配糖体 |
主なトクホ商品 | 特茶 |
許可表示(一部) | 体脂肪が気になる方に |
誰が(対象者) | BMI25以上30未満で20歳~65歳の男女 |
どうすれば(摂取方法) | 1日1本、12週間摂取 |
どうなったか(結果) | 全脂肪面積対照群比-10㎠(変化量は-5㎠) 内臓脂肪面積の減少 |
ウーロン茶重合ポリフェノール
ウーロン茶重合ポリフェノールは、ウーロン茶の製造過程で作られるポリフェノールの一種です。
このウーロン茶重合ポリフェノールを含むトクホは「黒烏龍茶」が有名です。
成分名 | ウーロン茶重合ポリフェノール |
主なトクホ商品 | 黒烏龍茶 |
許可表示(一部) | 脂肪の多い食事を摂りがちな方、血中中性脂肪が高めの方、体脂肪が気になる方の食生活改善に |
誰が(対象者) | BMI25以上30未満で成人の男女 |
どうすれば(摂取方法) | 食事の際に、1回1本、1日2本、16週間摂取 |
どうなったか(結果) | 腹部全脂肪面積-11.32㎠ |
ダイエット効果が一番大きいのは茶カテキン
3つの成分すべてで効果が報告されている腹部全脂肪面積の減少の度合いで比較すると、効果の大きいものから茶カテキン>ケルセチン配糖体>ウーロン茶重合ポリフェノールとなります。
補足:腹部全脂肪面積とは 皮下脂肪面積+内臓脂肪面積のこと。 |
また、体重の減少が認められているのは「茶カテキン」のみ。
対象者がやや限定的だったため、注意が必要ですが、自分と条件があった場合にはぜひ取り入れたいトクホといえますね。
トクホの効果の信頼性
健康食品のひとつであるトクホ。
同じく健康食品に分類される一般の健康食品やサプリメントとはどのような違いがあるのでしょうか?
トクホの取得ハードル
トクホは「特定の健康効果がある食品で、有効性や安全性について国の審査をクリアし、健康効果の表示が認められたもの」。
トクホとして売り出すためには、「有効性・安全性についての科学的根拠」を提出したうえで、消費者庁に認められる必要があります。
補足: 通常のトクホに比べると実験方法や結果の信頼度が低いなどの理由で「条件付きトクホ」といわれるものも存在します。 「根拠は必ずしも確立されていませんが、…に適している可能性がある食品です。」 といった文章が表記されているものがこれに当たります。 |
トクホの有効性と安全性は「ランダム化比較試験」という、医薬品などの効果を検証するのと同等の方法で実際の製品を使って行われています。
ランダム化比較試験とは: 対象者をランダムにグループ分けし、一方(試験群)には有効性を知りたい食品、もう一方(プラセボ群)には関与成分が含まれない食品(プラセボ)を摂取してもらい、効果の違いを比較する方法。 ランダムにグループ分けを行うことで「数値が改善しそうな人を試験群に」といった偏りを避け、 また、プラセボを使うことで対象者の思い込みによる数値の改善(プラセボ効果)を差し引いた結果が得られる方法です。 |
特定の食品や医薬品の有効性を調べる場合、このランダム化比較試験の信頼度はかなり高いものに分類されます。
信頼性 | 機能性を示す根拠となる情報源 |
高い ↑ ↑ ↑ ↓ ↓ ↓ 低い |
システマティックレビュー(複数のRCT) ランダム化比較試験(RCT)←トクホ許可に必要 非ランダム化比較試験 観察研究(比較群有・コホート研究) 観察研究(比較群有・症例対象研究、横断研究) 観察研究(比較群なし・症例報告など) 細胞実験・動物実験 個人の経験談、権威者(専門家など)の意見←いわゆる健康食品などの広告に使われる |
いわゆる健康食品やサプリメントとの違い
ダイエット効果をうたう食品やサプリメントは多くありますが、そのほとんどは科学的な根拠が存在しないものです。
個人の感想や専門家の推奨コメントなどが広告に使われ、健康効果をにおわせるものが多数存在しますが、科学的根拠には乏しく、効果を期待するのは難しいと考えましょう。
その一方でトクホは科学的根拠を消費者庁に認められたものであり、有効性や安全性について「国のお墨付き」があるもの、という点で違いがあります。
前提条件や効果の確認は必須
トクホ製品の「ききめ」を読み取るために、いくつかのポイントが存在します。
実際に届け出された例とともに、紹介します。
- 誰が(例:BMI24-30の健康な男性および閉経後の健康な女性が)
- 何を(例:588㎎の茶カテキンを含む340mlの飲料(=トクホ製品)を)
- どうすれば(例:1日1本、12週間摂取したら)
- 何と比べて(例:126㎎の茶カテキンを含む飲料(≒通常の緑茶)を飲んだ場合と比べて)
- どうなったか(例:平均で腹部内臓脂肪面積-9.0㎠、腹部全脂肪面積-24.5㎠、BMI-0.5、体重-1.3㎏)
トクホの広告ではトクホを飲んでどうなったか、という点が強調されていることが多く、「誰が」「どうすれば」という点はスルーされがちですが、実は大事なポイントです。
今回の例では、対象者から外れる人(BMI24未満の男性、閉経前の女性など)や摂取条件(1日1本を12週間毎日)を満たせなかった場合、効果が得られるかどうかはわからない、ということになってしまいます。
トクホを利用する際は、この条件に自分がどのくらい当てはまっているか、クリアできるかということも気を付けたいポイントです。
トクホをダイエットに役立てるためのポイント
トクホはダイエットへの有効性が確認されている商品ではあるものの、ダイエットに役立てるにはいくつかの注意点があります。
- トクホだけで痩せようとしない
- 食生活や運動の見直しも行う
いわゆる健康食品やダイエットサプリメントと比較すると信頼性の高い製品ではありますが、簡単に大きな効果が得られるといったものではありません。
ダイエットを成功させるために意識しておきたいポイントについて解説します。
トクホだけで痩せようとしない
トクホは「健康食品」といわれるジャンルの中では最も安全性や有効性が確認されているものといえます。
そんなトクホでも、「飲むだけ」でのダイエット効果というのは極めて限定的です。
いずれのトクホ商品も体脂肪を減らす効果が認められていましたが、以下のような点に注意が必要です。
- BMI25~30が対象になっている場合が多く、誰にでも効果があるとは言えない
- 最低でも1日1本、12週間の継続が前提(多いものは1日2本16週間)
- 体重の減少はないものもある
このようなことから、トクホは信頼性が高いとはいえど、その効果は、「ごく限られた条件のもとで限られた範囲の効果がある」という結論になりそうです。
もちろん、科学的根拠のない「トクホですらない健康食品・ダイエット食品」に比べれば、はるかに効果を信頼できるものですので、うまく活用していきたいですね。
食生活や運動の見直しも行う
ダイエットの成功のためにはトクホだけでなく基本となる食事の管理、身体活動の確保が最重要なものだと考えます。
残念ながらトクホ飲料を飲むだけで簡単に痩せられるわけではなく、食べたものが帳消しになるわけでもありません。
トクホはダイエット中の取り組みのひとつとして、普段の生活全体を見直していきたいですね。
まとめ
トクホは健康やダイエットに効果がある食品として大きな注目を集めていますが、誰もが簡単に効果を得られるといったものではありません。
自分に合った条件で、継続可能かつ効果が期待できる商品を選びたいですね。
トクホに続いて登場した機能性表示食品について詳しく解説した記事はこちら
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参考文献 |