韓国の芸能人がさつまいもを取り入れたダイエットでやせた!という情報が元になり、認知度が高まっている「さつまいもダイエット」。
さつまいもダイエットでどのくらいの効果が得られるのでしょうか?
失敗しないためのポイントも紹介します。
Contents
サツマイモでダイエットできる?
韓国で流行した“コグマダイエット”(コグマ=サツマイモ)がもととなり、日本でもさつまいもを使ったダイエットが注目されています。
韓国の芸能人が行った方法の中には「食べられるものはサツマイモとわずかなおかずだけ」という厳しいものもありましたが、日本ではもう少し負担の少ない方法が広まっているようです。
日本で広まったさつまいもダイエットの方法
日本で広まっているさつまいもダイエットの方法は、
「ごはんなどの主食を同重量のさつまいもに変える」というもの。
いつもの食事で食べているご飯がお茶碗1杯150gなら、さつまいもはおよそ1/2本150gとなります。
さつまいもはなるべく皮つきで、油を使わずに蒸したり焼いたりしたものが原則です。
さつまいもは規格によって1本の大きさが大きく異なるため、重さをしっかり確認するのがいいでしょう。
さつまいもダイエット、効果はある?
主食をさつまいもに変える方法については、短期で劇的な効果を得られるというものではありませんが、体に負担が少なく続けやすい、堅実に効果を出すための方法といえそうです。
さつまいもダイエットによって得られる効果は、
- カロリーオフ効果
- 便秘解消効果
といったものが挙げられます。
主食をさつまいもに変えるとカロリーオフ効果はどのくらい?
ごはんをさつまいもに変えることで、どのくらいのカロリーオフ効果が得られるのでしょうか?
同じ重さの皮つき及び皮むきの蒸しさつまいもと、精白米ごはん(白ごはん)との栄養価を比べた結果は以下の通りです。
■蒸しさつまいもと精白米ごはんの比較
さつまいも 皮つき・蒸し |
さつまいも 皮むき・蒸し |
精白米ごはん | |
エネルギー | 210kcal | 201kcal | 252kcal |
たんぱく質 | 1.4g | 1.8g | 3.8g |
脂質 | 0.3g | 0.3g | 0.5g |
炭水化物 | 50.6g | 47.8g | 55.7g |
食物繊維 | 5.7g | 3.5g | 2.3g |
*150gあたり さつまいもLサイズ1/2本、精白米ご飯お茶碗軽く1杯に相当 文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」より作成 |
※横スクロールで表全体の確認が可能です。
同じ重さで比べると、
白ごはん→皮つきさつまいもの場合…エネルギーは17%オフ、食物繊維は3.8倍 白ごはん→皮むきさつまいもの場合…エネルギーは20%オフ、食物繊維は1.5倍 |
となることが分かりました。
白ごはんとさつまいもをそれぞれ150gとして比較すると、40-50kcalほどをカットできることになります。
あまり大きな効果ではないものの、1日2食でさつまいもを取り入れれば、72日間(約2か月半)で体脂肪1㎏分に相当する摂取エネルギーをカットすることになります。
さつまいもの便秘解消効果はダイエットに影響する?
さつまいもダイエットを実施した際、1週間などの比較的早い段階で数㎏の体重減少がみられる場合があります。
これは、体についた脂肪が減ったものではなく、白ごはんに替えてさつまいもを食べることによって食物繊維の摂取量が増え、腸が刺激されて便通がよくなったことによるものと考えられます。
(もともと便秘でない人にはさほど変化が見られないことも考えられます)
体についた脂肪が減ったことによる体重変化ではないため、正確には「やせた」ということではありませんが、見た目や体重にうれしい変化とは言えそうですね。
過信は禁物!さつまいもダイエットに失敗するパターン
「さつまいもがダイエットにいい」という断片的な情報を過信してしまうと、「さつまいもをいくらでも食べていい」「さつまいもを使った料理なら何でも食べていい」といった誤解につながります。
サツマイモならどんなものでもどれだけ食べていいというものではない
さつまいもダイエットは原則、「蒸し・焼き・ゆでなど、そのままのさつまいも」を「いつもの白ごはんと同じ重量」までしか食べられません。
さつまいもだからと言って砂糖や油脂をたっぷり使ったスイートポテトや大学芋などは適していないので注意しましょう。
劇的にやせられる方法ではない
また、1食でカットできるカロリーは50kcal程度と多くはないため、1週間で数㎏もやせられるというものではありません。
実施するのであれば、数か月程度の期間で続けるつもりで始めるほうが期待外れの結果になりにくそうです。
皮ごと食べたほうがいい?冷やすといい?どのやり方がおすすめ?
さつまいもダイエットにおいて、調理法や食べ方の違いによって効果の出かたが異なる、といわれることがあります。
同じさつまいもでも、効果の出やすい方法を選びたいですね。
焼き・蒸し・レンジ調理、どう変わる?ダイエットにはどれがいいの?
砂糖や油脂を使わない「そのままのさつまいも」でも、焼き・蒸し・レンジ調理などの調理方法によって味わいが異なります。
さつまいもは65-80℃の温度帯が長くなるようにゆっくり加熱すると甘くなるので、短時間で調理するとほくほく、じっくり調理するとしっとり甘い食感になることが知られています。
よって、レンジ調理など短時間で調理するものほど甘味は少なくほくほくの食感、長時間かけて蒸したり焼いたりする方法では甘味が強くしっとりした食感になりやすいでしょう。
(サツマイモの品種・大きさ・調理条件によって変化します)
栄養価としては大きく変わらないと考えられるので、一緒に食べるおかずとの相性や、単純に好みによって好きなものを選ぶとよいのではないでしょうか?
皮ごと食べるべき?
皮つきと皮むきを比較すると、食物繊維の含有量が大きく変わることが分かります。
また、皮があることで歯ごたえが強くなるため、食べ応えアップという意味でも、ぜひ皮ごと食べたいですね。
ただ、焼きいもでは皮が固くなりやすかったり、苦みが気になったりということもあるので、苦手な人はレンジ調理や蒸し調理のほうが気になりにくくできそうです。
冷やしてレジスタントスターチが増えるとダイエット効果もアップするってほんと?
「加熱したさつまいもを冷やすと“レジスタントスターチ”が増えてダイエット効果が高まる」といわれることがあります。
レジスタントスターチとは、「ヒトの体で消化・吸収されにくいでんぷん」のことで、いわゆる食物繊維とおおむね同じ働きを持ちます。
とあるテレビ番組で行われた実験では、24時間冷蔵したものは冷蔵前と比べてレジスタントスターチが15%ほど増えたという結果が得られました。
とはいえ、その差は0.2-0.3gほど。
皮つきの蒸しさつまいもの食物繊維量の1/20程度にとどまるので、さほど大きな変化とは言いにくそうです。
焼きたて・蒸したてでも、冷たい状態でも、おいしく感じられる状態で食べるのが一番ではないでしょうか。もちろん、食べすぎは禁物ですよ!
サツマイモが続くと飽きる!飽きた時の対策とアレンジ方法
日本に暮らす人にとって、さつまいもは日常的に主食として食べるものではないため、心配されるのは「飽きてしまうこと」です。
じゃがバター感覚でバターを添えたり、砂糖を加えたりしたい…と思う人も多そうです。
しかし、ダイエット中ということを考えれば、カロリーを上乗せするアレンジ方法は避けたほうがいいでしょう。
さつまいもそのものの味に飽きてきたら、おかずや汁物と合わせて「主食兼主菜(=どんぶりもののようなイメージ)」「主食兼汁物(=うどんやそばのようなイメージ)」で食べるといいかもしれません。
おすすめは汁物に加える方法。
炒め物だとさつまいもを加えた分油脂や調味料を増やす必要がありますが、汁物であれば増やす必要がありません!(汁気の量が減れば減塩にも!)
スープにアレンジしてマンネリ対策!さつまいもを使った”主食兼汁物“【動画紹介】
【材料】(2人分)
さつまいも | 1/2本(150g) |
トマト | 2個(400g) |
玉ねぎ | 1/2個(100g) |
ドライバジル | 小さじ1/2杯(1g) |
塩 | 小さじ1/2杯(2.5g) |
オリーブオイル | 大さじ1杯(12g) |
バジル | 適量2g |
【栄養価】
- 動画の通りの場合の栄養価(皮むき・75g)
エネルギー214kcal たんぱく質2.9g 脂質6.4g 炭水化物38.0g 食物繊維4.6g 食塩相当量1.2g - 一食あたりさつまいも150gの場合(皮むき)
エネルギー315kcal たんぱく質3.8g 脂質6.6g 炭水化物61.9g 食物繊維6.3g 食塩相当量1.3g - 一食当たりさつまいも150gの場合(皮つき)
エネルギー324kcal たんぱく質3.4g 脂質6.6g 炭水化物64.6g 食物繊維8.5g 食塩相当量1.3g
【栄養ポイント】
サツマイモのほくほく食感が飽きた、という人にもスープの水分でしっとり食べやすくおすすめです。
レシピでは1人分のさつまいもは75gですが、さつまいもダイエット的には150gくらいまで増やして主食兼用にして◎です。(パンは無しにしてくださいね!)
たんぱく質源になる食材がほとんど含まれていないので、肉やたまごなどを使ったおかずを組み合わせるのがおすすめです。
さつまいもを間食にする方法はアリ?
さつまいもダイエットの本来の方法から考えると、さつまいもを間食として取り入れるのは正しいとは言えませんが、お砂糖をたっぷり使ったお菓子の代わりに、という風に使うのであれば、カロリーオフにつながる場合もあります。
ちなみに干しいもはドライフルーツなどと同じくらいのカロリー。
量には注意が必要ですが、腹持ちのいいおやつとして活用することはできそうです。
干しいもを間食に食べる場合、1日あたりの量は30g(中1枚:91kcal)程度に抑えるのが理想的です。
まとめ
さつまいもダイエットは、さつまいもそのもののカロリーオフ効果は小さいものの、極端なエネルギー不足や体調不良にはつながりにくい方法と考えられます。
その分ダイエット効果も緩やかなので、じっくり取り組める人に向いている方法といえそうです。
主食をさつまいもにすることをきっかけに、
それ以外のおかずや間食に関してもカロリーを抑える工夫をしたり、量を守って食べるクセがつけば、より良いペースでダイエットを進めることも可能になるかもしれませんね。
ダイエットを期間限定の我慢としてとらえるのではなく、より太りにくい食生活を選ぶきっかけにすることがもっとも理想的です。
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参考文献 文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所:「健康食品」の安全性・有効性情報(難消化性でんぷん、レジスタントスターチについて) |