ヘルシーなイメージのある豆乳。
ダイエットにも使えるとうわさされていますが、どんな風に取り入れればダイエット効果が得られるのでしょうか?
豆乳のダイエット効果と、豆乳を使ったダイエット方法について、解説します。
Contents
豆乳のダイエット効果
ダイエットの基本は「摂取エネルギーを消費エネルギーよりも小さくして、体脂肪をへらすこと」。
豆乳を飲むことで摂取エネルギーを抑えることにつながれば、ダイエットに効果があるといえそうです。
体脂肪を減らすためのダイエットとカロリーについて詳しく解説した記事はこちら
豆乳のカロリーオフ効果
豆乳を飲んで摂取エネルギーが減れば…とはいっても、豆乳そのものにもエネルギーはあるので(無調整…46kcal/100g、調製…64kcal/100g)、豆乳による摂取エネルギーも計算に入れなければいけません。
たとえば、200mlの豆乳を飲んだ場合は、92kcalぶんを摂取しています。
ダイエットするには、92kcalぶん以上の食事を減らす必要があります。(炊いた白米なら92kcal=55g以上)
ひと月で1㎏の体脂肪(7200kcal相当)を減らすための食事例としては、
- 豆乳を200ml飲む(92kcalの摂取)
- 食事で240+92=332kcal分の食事量を減らす
(ご飯だけなら200g=お茶碗やや大盛り1杯、鶏のから揚げなら100g強(2-3個)、もしくは各半量ずつ)
といったパターンがあります。
豆乳を飲むことでエネルギー以上に満腹感が得られるのであれば、有効な方法といえそうですが、単純に食事量を減らす方法よりも必要なカット量は大きくなります。
また、1食丸ごとをコップ1杯の豆乳に置き換えるような方法もありますが、厳しいカロリー制限は体調不良や筋肉量減少による基礎代謝低下およびリバウンドにつながりやすいというデメリットがあります。
食事を豆乳に置き換える場合は、極端なカロリー制限にならないよう、取り入れるポイントの見極めが必要になりそうです。
豆乳はダイエットに向いているか
結論からいえば、豆乳はダイエットに最適とは言いにくい食材です。
豆乳は液体で噛まずに摂取できるため、エネルギーのわりに満足感が得られにくい食品のひとつです。
低カロリーな食品でおなかを膨らませて食事量を抑える目的であれば、噛み応えのある野菜類を使い、水分もたっぷりとれるノンオイルの野菜スープ(1杯50kcal程度)などのほうが適しているかもしれません。
豆乳はカロリーゼロの食品ではないため、いくら飲んでも太らないということはありません。
豆乳をたくさん飲むことによって、摂取エネルギー全体が消費エネルギーを超えてしまえば、かえって太ることもあることは知っておきたいですね。
豆乳の機能性成分によるダイエット
豆乳や大豆製品には多くの機能性成分があることが知られており、その成分のはたらきによってやせられる、とする情報も見られます。
しかし、豆乳及び大豆製品に関して体重減少にはたらくような作用は見つかっていません。
ダイエットに関連する機能性成分はいくつかあるものの、「豆乳を飲むだけで機能性成分のはたらきによって脂肪が減る」ということは基本的に起こらないので気を付けましょう。
巷で話題になっている豆乳の機能性成分によるダイエット方法とその効果についてまとめました。
大豆イソフラボン
生理前の女性ホルモン(エストロゲン)分泌の少ない時期に、女性ホルモンの働きを補う大豆イソフラボンを含む豆乳を飲むことで、生理後に体重が減る効果が得られるという方法です。
基本的に、生理前後の体重の増減は、ホルモンバランスの変化による「体内水分量の増減」によっておこります。
生理後に痩せた・体重が減ったと感じるのは、ホルモンバランスの変化によって生理前にため込んだ水分を排出しているからであって、体脂肪の量の変動ではないと考えられます。
また、生理前後の体内水分の増加・減少は一時的なものなので、体脂肪のように増えっぱなし、ということは少ないはず。
豆乳を取り入れずとも、生理前に増えた体重は生理後数日で元に戻ると考えられます。
大豆ペプチド
大豆に含まれる大豆ペプチドという成分には食事後のエネルギー消費を増加させる効果があることが報告されており、ダイエットにつながるのでは、と期待されています。
しかし、食後のエネルギー消費量を高める効果を認める研究報告*)では、豆乳416g相当の大豆たんぱくを摂取した場合での効果は14.4kcalとわずかなもの。
(基礎食に比べて3時間で14.4kcalの消費増を1日1回=1日14.4kcal=1㎏の体脂肪を落とすまで500日かかる計算)
豆乳を飲むだけでは、体脂肪量の変化が数値に現れるほどの効果は期待できないといえます。
その他の成分
その他、大豆に含まれる健康効果のある成分として、レシチンやサポニンなどがあげられます。
これらが持つ抗肥満効果、脂質の代謝を改善するといった効果は、主に血中脂質の改善などの生活習慣病の予防の観点で注目されています。
しかし、ヒトを対象とした有効性はいまだ未知数で、単純に豆乳を飲むだけでは㎏単位の体脂肪を減らすまでの効果があるとは言いにくいと考えられます。
まとめ
豆乳をはじめとした大豆製品の機能性成分は注目されているものの、目に見えるような体重減少を期待するのは難しそうです。
豆乳をダイエットに使いたいのであれば、摂取エネルギー全体を減らすために使うのが必須になりそうです。
豆乳を使ったダイエットに関しては、「豆乳を飲む」ということよりも、「豆乳を飲んで、何を減らすのか」ということがポイントなのではないでしょうか。
ダイエットは摂取エネルギーを減らす、または消費エネルギーを増やすことが最も確実です。
あくまでもツールのひとつとして、豆乳を活用したいですね。
豆乳のカロリーや栄養素について詳しく解説した記事はこちら
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参考文献 文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2015年版(七訂)」 *)小松龍史,小松恵子,山岸稔:大豆ペプチド摂取の食事誘導産熱に及ぼす影響.大豆たん白質栄養研究会会誌vol.13(1992) |