最近、体を健康的に引き締めることが注目されています。
トレーニングを行っている人が活用している「プロテイン」について、「聞いたことはあるけどなんだかよくわからない」という人が多いのではないでしょうか。
今回の記事では、そもそもプロテインとはなんなのか?どんな人に向いていて、どんな時に使うといいのかを解説します。
プロテインの種類と効果的な飲み方についても紹介していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
Contents
プロテインとは
ここ数年で認知度が高まってきている「プロテイン」とは、そもそもどんなものでしょうか?
単純に和訳するならば、栄養素の「タンパク質」を指しますが、一般的には「たんぱく質を主成分とするサプリメント」を意味しています。
それぞれの概要について簡単に解説します。
タンパク質という意味
「プロテイン」とはもともと英語でたんぱく質を指す言葉です。
たんぱく質は主に筋肉や皮膚、内臓などを構成している成分です。
その他にも、ホルモンとして体のさまざまな機能を調整したり、エネルギーが必要な時には体内で代謝されてエネルギーを生み出すこともあります。
たんぱく質はアミノ酸がたくさんつながった鎖のような構造をしており、胃や腸でバラバラに分解され、アミノ酸として吸収され、体内で利用されます。
たんぱく質はさまざまな食品に含まれていて、肉や魚などのほか、米や麦などの穀類にも含まれています。
栄養素としてのたんぱく質について詳しく解説した記事はこちら
たんぱく質を主成分とするサプリメント
一般的にプロテインというときは、たんぱく質を主成分としたサプリメントを指すことが多いです。
主に牛乳や大豆由来のたんぱく質を抽出・精製したもので、たんぱく質の効率的な摂取に適しています。
多くのプロテインサプリのアミノ酸スコア(理想のアミノ酸バランスをどれだけ満たしているかを示す値)は肉や魚と同じ100になっていることが多いので、たんぱく質の質も問題ありません。
細かい成分組成は製品によって異なります。
たんぱく質以外の成分では、目的に合わせて糖質や微量の脂質が含まれたり、ビタミンやミネラルが配合されたりしている場合もあります。
この記事では、たんぱく質を主成分とするサプリメント全般について解説します。
プロテインはこんな方におすすめ
プロテインは近年急速に注目度が増しましたが、すべての人にとって摂るべきものという訳ではありません。
プロテインが適した人とは、
- トレーニング・ボディメイク中の方
- ダイエット中の方
- 少食でたんぱく質が不足しがちな方
それぞれの方にプロテインがおすすめである理由を紹介します。
トレーニング・ボディメイク中の方
プロテインは、トレーニングやボディメイクを行っていて、筋肉量を増やしたい方の効率的なたんぱく質摂取に適したサプリメントといえます。
トレーニングを行う人の多くは、体脂肪は減らしつつ筋肉量は増やしたいと考えているのではないでしょうか。
筋肉を増やすためにはたんぱく質の摂取が必要ですが、肉や魚などのたんぱく質源となる食品を増やすと、同時に脂質の摂取量も増えてしまい、カロリーオーバーになって体脂肪が減らない・または増えてしまうといったことも起こりえます。
そういった場合にたんぱく質源としてプロテインサプリを取り入れることで、余分な脂質のエネルギー(カロリー)の摂取を避けてたんぱく質を効率よく摂取することができます。
このほかに、トレーニング中やトレーニング後に摂取することで疲労感を低減するといった効果もあると考えられています。
ダイエット中の方
プロテインは、ダイエット中で食事制限をしている人の筋肉量維持のためのたんぱく質摂取に役立ちます。
ダイエット後も太りにくい体をつくるためには、筋肉量を維持することが大切です。
筋肉は皮下脂肪に比べて、何もしなくても消費するカロリー(基礎代謝)が大きいため、筋肉量が多い人ほど太りにくいという特徴があります。
しかし、ダイエットのために食事制限を行うと、不足するカロリーを補うため、体脂肪だけでなく筋肉も分解されてしまいます。
ここで適切な量のたんぱく質の摂取と適度な運動を取り入れることで、基礎代謝の高い筋肉の量を落とさないようにすることが大切です。
ダイエット中の方にとって、プロテインは脂質を抑えて摂取カロリーを抑えつつ、たんぱく質を摂取するのに適しています。
全体の食事量を減らして摂取カロリーを減らしつつ、不足したたんぱく質をプロテインで補うといった使い方が可能です。
プロテインはたんぱく質を主成分としたサプリメントであり、飲むだけで体脂肪を減らす効果はありませんが、ダイエット中のたんぱく質補給には最適のサプリメントといえます。
少食でたんぱく質が不足しがちな方
少食で体に必要なたんぱく質が摂取できないという方のたんぱく質補給にも適しています。
からだを維持するためのタンパク質の必要量は体格によって異なり、体重1㎏あたり最低でも0.66g程度が必要で、推奨される量としては体重1㎏あたり0.83gとされています。
(日本人の食事摂取基準(2020年版)の策定検討会より)
(注意:標準的な体重から極端に離れている人では体重からの計算が不適な場合もありますので、注意してください。)
厚生労働省が発表している日本人の食事摂取基準(2020年版)では、平均的な身長と体重から、成人男性では60~65g、成人女性では50gの摂取を推奨しています。
日本人の平均的な食生活では、この推奨量は十分に摂取できており、不足を補うためにプロテインを取り入れる必要性はあまりありません。
しかし、食事量が少なかったり、肉や魚、卵などのたんぱく源をとる機会の少ない人はたんぱく質の摂取量が不足している可能性があります。
プロテインはこのような場合のたんぱく質の補給に適しています。
(ただし、肉や魚の脂質やその他の成分には体に必要なものもあり、プロテインが完全に肉や魚の代わりになるわけではありません)
プロテインの種類
プロテインには材料となるものによって数種類に分けられます。
珍しいものでは牛肉由来のものなどもありますが、一般的に手に入れやすいのは牛乳を使用したホエイプロテインとカゼインプロテイン、大豆を使用したソイプロテインがあげられます。
それぞれのプロテインに利点や特徴があり、製品によってはそれぞれを組み合わせたものもあるようです。
それぞれの特徴について解説します。
ホエイプロテイン
ホエイプロテインは、牛乳から作られるプロテインです。
ホエイというのは日本語では「乳清」といい、牛乳から脂肪分やたんぱく質のカゼインを除いたものを指します。
身近なものではヨーグルトの上澄み液がこれに当たり、ホエイ(ホエー)と呼ばれていますね。チーズの製造過程での副産物としても知られています。
この液体にも様々な成分が溶け込んでおり、乳糖、たんぱく質、ミネラル、微量の脂肪分も含まれています。
このホエイの水分を取り除き、成分を調整したものがホエイプロテインとして一般に使用されています。
水に溶けやすく、風味も比較的飲みやすいこと、水に溶ける性質によって吸収されやすいことから、トレーニング直後の筋肉の回復に素早くアミノ酸を補給できるとして現在のプロテインの中では主流のものになっています。
カゼインプロテイン
カゼインプロテインは、牛乳のたんぱく質である「カゼイン」を主成分とするプロテインです。
ヨーグルトなどにおいて、水に溶けるホエイたんぱく質に対して、水に溶けず固まるたんぱく質がカゼインです。
固形成分であるため、ホエイに比べて消化吸収されにくい性質があります。
時間をかけて吸収されていくため、継続的にアミノ酸を供給できるという利点があり、また腹持ちも比較的良いといわれています。
ソイプロテイン
大豆から油を取り除いたものからとれるタンパク質を利用したものがソイプロテインです。
ソイプロテインも比較的消化吸収に時間がかかるため、即効性よりも持続性があります。
独特の風味があるため飲みにくいと感じることもあるようです。
大豆たんぱくには血中コレステロール値の低下作用や血中中性脂肪の低下作用が認められているため、血中脂質の値が気になっている人には取り入れたい成分ともいえるでしょう。
乳成分ではないため、乳糖不耐症(乳成分の乳糖でおなかがゴロゴロしやすい体質)の方に向いている種類ともいえるでしょう。
プロテインの効果的な飲み方
プロテインの効果を最大限に得るためには、飲む量やタイミングを考慮する必要があります。
飲む量やタイミングを自分の体と目的に合わせてうまく組み合わせてくださいね。
飲む量
プロテインは飲めば飲むほど良いというものではありません。
ダイエットを目的としている場合には、製品ごとの1日の目安量をベースに、プロテイン以外の食事と合わせて1日の消費カロリーを上回らないように注意しましょう。
トレーニングジムなど、専門家に相談できる場合には、食事全体を考慮して摂取量のアドバイスが受けられると安心です。
飲むタイミング
プロテインを飲むタイミングについて、最も一般的なのはトレーニングの直後です。
トレーニングによってダメージを受けた筋肉にプロテイン由来のアミノ酸を補うことで、筋肉の修復と筋量の増加を助けることが目的とされています。
その他の目的で取り入れる場合に関しては、プロテインは基本的には「食品」なので特に決まりはありません。
いつもの食生活で肉や魚といったたんぱく質源をとる機会が少ないと感じている人は、食事中や食事の前後にプロテインを取り入れることで食事のバランスをある程度整えることが期待できます。
食事量を制限しつつ、たんぱく質の摂取量を確保したいと考えている人には、比較的腹持ちの良いカゼインや大豆たんぱくをメインにしたプロテインを利用することで、食事の量を減らしても空腹感を感じにくくすることができるかもしれません。
プロテインを飲むときの注意点
人気の高まっているプロテインですが、過信は禁物です。
誤った取り入れ方は食事のバランスを乱し、ダイエットやトレーニングの妨げになることも。
- 飲むだけでダイエットやボディメイクができるわけではない
- 栄養バランスの乱れに注意する必要がある
これらの点について、詳しく解説します。
飲むだけではダイエット・ボディメイクはできない
プロテインは飲むだけで筋肉が増える、痩せるといったものではないことに注意しましょう。
プロテインといえば筋肉を増やすというイメージを持つ方も多いですが、実際にはプロテインを飲むだけでは筋肉が増えることはありません。
プロテインはたんぱく質を主成分としたサプリメント(食品)であり、薬ではありません。
そのため、いつもの食事に加えて飲むだけでは筋肉量が増えることも、体型が引き締まることもありません。
スポーツやトレーニングなどによって筋肉がダメージを受けると、その修復の過程で食事やプロテイン由来のアミノ酸が使われます。
修復後にはトレーニング前よりも筋肉組織が発達することで、「筋肉が増えた」ということが起こります。
筋肉を維持・増強させたい場合には、運動の併用が必須となりますので、気をつけましょう。
栄養バランスの乱れに注意する
プロテインのとりすぎは栄養バランスの乱れ、カロリー及びたんぱく質の摂取過剰につながります。
たんぱく質もエネルギー源となる成分であり、カロリーがあります。
使い切れなかった分は体脂肪として蓄積されますので、取りすぎには注意が必要です。
さらに、たんぱく質の摂取量を増やすことは腎臓の負担を増やします。
健康維持の観点からも、適度な摂取を心がけましょう。
まとめ
プロテインはたんぱく質を主成分とするサプリメントで、脂質を抑えつつたんぱく質の摂取量を増やしたいときや、食事量が少ない方のたんぱく質の摂取に適しています。
減量の違いや配合成分の違いによってさまざまな種類があるため、目的に合わせて選ぶことをおすすめします。
一方で、プロテインは飲むだけで痩せたり筋肉が増えるものではなく、筋量を増やすためには運動の併用が必要です。
また、とりすぎはカロリーの摂取過剰や栄養バランスの乱れ、腎臓への負荷を増やすなどの悪影響につながるため、適量範囲で活用することが望ましいでしょう。
あくまでトレーニングによる体づくりやたんぱく質摂取不足のおそれのある場合に有効なものなので、使い方に不安がある場合は専門家に相談することをおすすめします。
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参考文献 小原 亜希子 、鈴木 省三 、藤井 久雄 、内丸 仁 、竹村 英和.運動後の糖質配合プロテインサプリメントの摂取は筋タンパクの異化を抑え、疲労感を軽減する.体力科学 , 58 巻6 号640(2009)/p> 三本木 千秋 、石坂 美穂子 、安部 久貴 、水上健一 、坂本 佑樹 、高原 桂 、藤枝 賢晴.高強度間欠運動中の水溶性プロテインの摂取による筋損傷指標への影響.体力科学 , 58 巻6 号647(2009) 厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会」 報告書 桑田 有.ホエイからの各種有用成分の分離と栄養,機能食品への応用研究 Milk Science Vol.61,No.2 2012 |