投稿日: 2019.08.16 | 最終更新日: 2024.04.08

味噌汁ダイエットの効果とは?痩せる味噌汁の取り入れ方と具材例、レシピを解説

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味噌汁

「味噌汁」は日本人にとって身近なメニューのひとつですが、ダイエット効果があるとされています。

一時はテレビや書籍でも「味噌汁ダイエット」が紹介されるなど、注目されているようです。
身近なメニューであるみそ汁にそんな効果があるのでしょうか?

この記事では、みそ汁をダイエットに取り入れるメリットと効果的な取り入れ方、おすすめのレシピを紹介します。

味噌汁ダイエットの効果

味噌汁ダイエット

体脂肪を減らすダイエットの原則は非常にシンプルです。
ダイエット期間中において、「摂取カロリーを消費カロリーよりも小さくすること」。
不足するカロリーを体脂肪から調達することで、体脂肪の減少につながります。

どんなダイエット食品・ダイエット方法においても、摂取カロリーを小さくする、または消費カロリーを大きくすることができれば、「ダイエットに効果あり」といえそうです。

この点を踏まえて、ダイエットにおけるみそ汁の利点は2つです。

  • しっかり食べてもカロリーが低く抑えられること
  • 野菜をたっぷり食べられて満足感が得られやすいこと

それぞれの内容について詳しく解説します。

しっかり食べてもカロリーが低い

みそ汁は「摂取カロリーを抑えつつ食事の満足感を得られるおかず」になるのが最大の利点です。

具体的には、

  • 水分が多く、低カロリーで食べ応えがある
  • 脂質が少なく、だしのうまみがあるため、カロリーを抑えつつ満足感が得られやすい

という理由から、ダイエット中に食事からの摂取カロリーを減らす手助けになりそうです。

また、多くの日本人になじみがあり、いつもの食事に取り入れやすいことからも、習慣的な摂取カロリーのカットに役立つメニューといえますね。

野菜をたっぷりとれる

味噌汁の利点は野菜をたっぷりとれることもあげられます。

野菜は全般的に重さあたりのカロリーが低く、ビタミンやミネラル、食物繊維の摂取源として優秀なことから、ダイエット中に限らず積極的に摂りたい食材です。

野菜は加熱するとカサが減ってたくさん食べることができます。
味噌汁をはじめとした汁物は野菜をたっぷりとるのに適しており、野菜の摂取量を増やすことができます。

食べるだけで痩せるわけではない

気を付けたいのは、みそ汁およびみそ汁の原料に「摂取することで体重を減らす効果」があるわけではないということです。

書籍やテレビで話題になった「みそ汁」はすりおろしタマネギ、りんご酢、赤みそ、白みそを混ぜ合わせた特製みそを使ったもので、これら4つの材料にはそれぞれ健康効果がある成分が豊富に含まれるとされ、白みそのGABA、赤みそのメラノイジン、りんご酢のカリウム、玉ねぎのケルセチンが健康やダイエットに効果を発揮するとされていました。

しかし、このレシピで摂取できる量の食品成分について、ダイエット効果の裏付けとなる信頼性の高いデータは見つかっておらず、ダイエット目的で上記のようなレシピのみそ汁を採用する必要性は低そうです。

みそ汁に使う味噌の内容にかかわらず、本質である「摂取エネルギーのカット」につなげられればどんなみそ汁でもダイエットに対してはプラスになります。
原料に含まれる微量成分など、あまり細かいポイントについては気にしすぎないほうが続けやすいでしょう。

みそ汁そのものはあくまで食事からの摂取エネルギーの全体量を減らすための「補助的なもの」として、食事内容を見直しつつ取り入れるのが大事なポイントです。

痩せる味噌汁のポイント

瘦せる味噌汁のポイント

具体的な取り入れ方としては、サラダや温野菜など、低カロリーでいわゆる「ダイエット向き」といわれている野菜料理のバリエーションのひとつとして考えるのがおすすめです。

取り入れる際のポイントは以下の3点です。

  • 野菜をたっぷり入れて具沢山にする
  • だしをきかせた薄味にする
  • 食事全体を整える

それぞれ、詳しく解説します。

野菜をたっぷり使って具沢山にする

ダイエットにみそ汁を活用する場合、野菜をたっぷり使った具沢山の味噌汁にするのが良いでしょう。

野菜たっぷりの具沢山みそ汁は食べ応えがあり、食事の満足感をアップしてくれます。
また、野菜から食物繊維をしっかりとることで、満腹感を引き延ばしてくれることも期待できそうです。

ダイエット中のみそ汁は、汁物としてではなくおかずのひとつとして食べられるようにするといいですね。

だしをきかせた薄味にする

ダイエット中の味噌汁はだしをきかせた薄味に仕上げることで、ダイエットに適した内容にすることができます。

薄味がおすすめなのは、食べすぎを防ぐため
塩辛いおかずはごはんが進み、食べすぎにつながりやすいというデメリットがあります。

だしをきかせたみそ汁をつくるには、だしの出る食材を2種類以上使うことがポイントです。

だしの出る食材で代表的なものは以下の通り。
具材として使うほか、だしパックや顆粒だしを取り入れるのもおすすめです。

  • 昆布
  • かつお節
  • きのこ
  • 肉類
  • 魚介類

また、健康面でも、塩分の取りすぎは高血圧などの生活習慣病につながるため、ダイエット中に限らず薄味を心がけることは健康的な食事のポイントのひとつです。

食事全体を整える

野菜たっぷりのおみそ汁を心がけることに加えて必要なのが、「食事全体のカロリーを減らすこと」。
今までの食事量にプラスするだけではさらにお腹いっぱいになるだけでダイエットになりません。

ダイエットでは食事全体のカロリーが問題となるため、食事全体のカロリー管理が大切です。

みそ汁以外の「ごはんなどの主食」「肉や魚のメインおかず」の量をある程度減らしたり、カロリー控えめの内容に見直したりといったことが必要です。

とはいえ、「食事はみそ汁だけ」のような厳しい食事制限は体調不良のもととなりますので避けてくださいね。

ダイエットにおすすめの味噌汁レシピ

ダイエットのために取り入れたい、低カロリーながら具沢山で食べ応えのある味噌汁レシピを紹介します。

ぜひ参考にしてくださいね。

旨味たっぷり野菜味噌汁

旨味たっぷり野菜味噌汁

材料(2人分)

  • にんじん…1/3本(60g)
  • さつまいも…1/3本(60g)
  • しめじ…1/4パック(20g)
  • 水…300ml
  • 顆粒和風だし…小さじ1/2(2g)
  • 味噌…大さじ1(18g)
  • 小ネギ…少量(5g)

※具材は好みの根菜、きのこでアレンジしても構いません。

作り方

  1. 人参、さつまいもは一口サイズに切る。さつまいもは水にさらしておく。
  2. しめじは小房に分け、小ねぎは小口切りにする。
  3. 鍋に水、顆粒和風だし、にんじん、さつまいも、しめじを入れて根菜に火が通るまで煮る。
  4. 火を止めて味噌を溶きいれる。
  5. 器に盛り、小ねぎを散らして完成。

栄養価とコメント(1人分)

  • カロリー…72kcal
  • たんぱく質…2.5g
  • 脂質…0.7g
  • 炭水化物…16.0g
  • 食物繊維…2.8g
  • 食塩相当量…2.0g

食べ応えのある根菜を中心に、だしの出るきのこを組み合わせました。
顆粒だしを活用すると手軽にお味噌汁が楽しめます。

しっかり食べても1杯のカロリーは72kcalと低カロリーですので、ボリューム控えめの食事に組み合わせるのがおすすめです。

満足感しっかり具だくさん豚汁

満足感しっかり具だくさん豚汁

材料(2人分)

  • 豚肉(もも薄切り)…40g
  • 大根…厚み3㎝程度(60g)
  • 人参…1/4本(40g)
  • ゴボウ…1/4本(40g)
  • 水…150ml
  • 顆粒和風だし…小さじ1/2(2g)
  • 味噌…大さじ1(18g)
  • 小ネギ…少量(5g)

作り方

  1. 豚肉は一口サイズに切る。
  2. 大根、人参は厚み1㎝のいちょう切り、ゴボウはささがきか斜め薄切りにする。
  3. 鍋を火にかけ、豚肉を炒める。
  4. 豚肉に火が通ったら水、顆粒和風だし、大根、人参、ゴボウを入れて火が通るまで煮る。
  5. 火を止めて味噌を溶きいれる。
  6. 器に盛り、小ねぎを散らして完成。

栄養価とコメント(1人分)

  • カロリー…76kcal
  • たんぱく質…6.4g
  • 脂質…2.7g
  • 炭水化物…8.5g
  • 食物繊維…2.9g
  • 食塩相当量…2.0g

豚肉が入ることで食べ応えが増しますが、低カロリーなもも肉を使うことでカロリーは低く抑えました。

根菜中心で噛み応えもあるため、満足感が得られやすいのが魅力です。

まとめ

おみそ汁は低カロリーなおかずとしてバリエーションも多く、習慣にしやすいという点でダイエットに有効なメニューのひとつといえそうです。
とはいえ、「みそ汁を食べればほかの食事は何を食べてもチャラになる」「みそ汁ならどれだけたくさん食べても太らない」というわけではありません。
また、おみそ汁のような汁物は意外と塩分量が多く、おみそ汁ばかり食べるのは塩分の過剰摂取にもつながりやすいので気を付けたいところです。

あくまで「ヘルシーなおかず」のひとつとして、適度に取り入れるのがいいでしょう。

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参考文献

文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」

国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所:「健康食品」の安全性・有効性情報(カリウム、γ-アミノ酪酸(GABA)について)

三浦 理代.メラノイジンの生理機能 日本醸造協会誌,97巻4号(2002)

本間 清一.メラノイジンに関する食品化学的研究 日本栄養・食糧学会誌,58巻2号(2005)

Fumitaka HAYASE, Sachiko HIRASHIMA, Genichi OKAMOTO, Hiromichi KATO.Scavenging of Active Oxygens by Melanoidins  Agricultural and Biological Chemistry,53巻12号(1989)

亀形恵美, 中津川研一. 味噌の種類による抗酸化性の比較 学苑生活科学紀要, No.8302 7~29(2009.12)

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。