ダイエットのための「やせる食事」は注目されやすいですが、新しいことを取り入れるよりも先に、今現在の「太りやすい食習慣」を見直すことも重要なポイントです。
太りやすい食事の習慣がないか、今現在の生活を振り返ってみませんか?
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Contents
太りやすい食事とは
「太る」とは、体についた脂肪(体脂肪)が増えてしまうことを指します。
体脂肪の増減にかかわるのは食事などからの摂取エネルギーと、身体活動などによる消費エネルギーです。
消費エネルギーよりも摂取エネルギーが多くなる(エネルギー収支がプラスになる)と、使いきれなかったエネルギーを体脂肪として蓄積します。
体脂肪1㎏に相当するエネルギーはおよそ7200kcalとされ、消費のためには摂取エネルギーよりも消費エネルギーを大きくする必要があります。
体脂肪の増減の仕組みのうち、食事がかかわるのは摂取エネルギーの部分。
太りやすい食事とは、体脂肪の蓄積につながる、摂取エネルギーが大きくなりやすい「食品」と「食習慣」と考えることができそうです。
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摂取カロリーが大きくなりやすい食品とは
食品に含まれる成分のうち、エネルギー源となるのはたんぱく質・脂質・炭水化物・アルコールです。
これらの成分はそれぞれ重さあたりのエネルギーが異なり、含まれる量によって食品としてのエネルギーが決まります。
同じ量でもエネルギーの高いものばかりを食べていると、摂取エネルギーもかさんできてしまいます。
脂質を多く含むもの
脂質は1gあたりのエネルギーが9kcalと、エネルギー源となる成分の中で最も高く、脂質を多く含む食品は少量でも摂取エネルギーを押し上げます。
脂身を多く含む肉類のほか、揚げ物や調味料にも見えない形で含まれていることが多いので、取りすぎないように気を付けたいものです。
アルコールを多く含むもの
アルコールは1gあたり7kcalと脂質に次いでエネルギーの高い成分です。
度数が1%のアルコール飲料は100mlあたり0.8gのアルコールを含むことになりますので、5%で350mlのアルコール飲料の場合、アルコール由来のエネルギーは98kcalとなります。(そのほかに含まれる糖質などのエネルギーも加わります)
糖質ゼロのアルコール飲料もありますが、アルコールが含まれている時点で清涼飲料水並みのエネルギーになるものが多いので、気を付けましょう。
炭水化物、特に砂糖類の多いもの
炭水化物は1gあたり4kcalとさほどエネルギーが高いものではありませんが、ごはんやパンなどの主食、または砂糖類として取る場合、取りすぎやすいので気を付けましょう。
主食は朝・昼・夕の食事で1食分を食べる分には問題ないですが、大盛りやお代わりが習慣になっている場合は炭水化物が原因となってエネルギー摂取過多になっているかもしれません。
砂糖類は間食や嗜好飲料として取る場合に過剰摂取になりやすく、また、バランスのとれた食事に役立つものではないので、少なめに抑えることが推奨*1)されています。
食事のエネルギーを抑える方法
上記のエネルギー摂取過多につながりやすい食品に対して、重さあたりのエネルギーが低い食品は、野菜・果物・きのこ類・海藻類などが代表的です。
炭水化物や脂質は主食(ごはんやパン)や主菜(メインのおかず)に多く、野菜・果物・きのこ類・海藻類は副菜(サイドのおかず)とされることが多い特徴があります。
よって、エネルギーをとり過ぎたくない場合には、主食と主菜の量を抑えつつ、副菜を取り入れるのがよさそうです。
主食・主菜・副菜がそろった食事は栄養素のバランスが適正になりやすいことが報告されている*2)ので、ダイエット中でなくてもメリットのある食べ方といえます。
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太りやすい食習慣とは
食べものの選び方のほか、「食べ方(食習慣)」も気を付けたいポイントです。
いくつかの望ましくない食習慣に関しては、肥満などとの関連が示されているものもあります。
食べる速度が速い、早食い
日本人を対象とした研究で、食べる速さが速いと肥満度(BMI)が大きくなる*3)*4)と報告されています。
流し込むように食べてしまうことで、満足感を感じる前に食べすぎてしまうのかもしれませんね。
早食いをしないようにするためには、
- よく噛んで食べることを意識する、噛み応えのある料理を選ぶ
- 汁物で流し込むように食べないようにする
- 誰かと会話をしながら食事をする
…などの工夫が挙げられます。
就寝前2時間以内の食事習慣
寝る前の食事が肥満に与える影響は諸説ありますが、就寝前の夕食の習慣を改善した人では腹囲(内臓脂肪の蓄積を反映)の減少がみられたとの報告*5)があります。
帰宅時間が遅く、どうしても食事が就寝前になってしまう人では、早めの時間に軽い食事をとり、就寝前の食事量を抑えるのがよいでしょう。
寝る時間を遅らせるのは生活リズムを崩すためにおすすめできません。
完全撤廃ではなく、少しでも減らすつもりで取り組みましょう。
朝昼夕の3食以外のおやつや甘い飲み物の習慣
朝昼夕の3食以外の間食は、消化管が未発達な乳幼児を除き、基本的に必要なものではありません。
食事の回数が必要以上に増えることで摂取エネルギーも増えてしまいますし、菓子類や嗜好飲料類では砂糖類の摂取が多くなりがちなので、栄養的にもあまり価値があるとは言えません。
なるべく頻度を控えめに、食べるとしても多くなりすぎないように気を付けたいですね。
とはいえ、間食は日々の楽しみでもあり、リフレッシュになるものでもあります。
そこで、菓子類やジュースなどの嗜好飲料ではなく、果物を取り入れるのがおすすめです。
果物にもエネルギーがありますので食べる量には注意が必要ですが、多くは菓子類よりもエネルギーを低く抑えられ、食物繊維やカリウムといった栄養素をとることもできます。
果物類の摂取は長期的な体重増加の抑制との関連性が示されており*6)、健康的な食習慣のひとつと考えることができそうです。
朝食を抜くことが多い
朝食を抜くことそのものは摂取エネルギーを直接的に増やす習慣ではありません。
しかし、朝食を抜くことの背景には、就寝時間が遅い・睡眠不足といった背景が隠れていることがあります。
睡眠不足の状態では満腹感と空腹感にかかわるホルモン分泌が変化し、食べすぎにつながりやすい*7)ことが報告されています。
また、朝食を抜くことで身体活動(エネルギー消費)量の低下につながること*8)も知られており、朝食抜きは体重増加に傾きやすい生活の特徴のひとつととらえることができます。
今まで朝食を食べない生活だった場合、朝食を無理やり食べるのではなく、朝食をとる時間が取れるように夕食の時間や就寝時間を少しずつ早めるのがよいでしょう。
まとめ
ダイエットのために注意したい「太りやすい食事」の特徴を紹介しましたが、太りやすい食事をやめるということは、バランスのとれた食事や整った生活習慣を心がけることとも考えることができそうです。
長期的な習慣になることで将来の健康リスクを少なくすることにもつながりますので、無理なく取り入れられそうなものから、長い目で取り組んでみてはいかがでしょうか。
ダイエットとして続けやすい、やせる習慣作りについて詳しく解説した記事はこちら
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参考文献 厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会」 報告書 厚生労働省:「健康日本21(第2次)の推進に関する参考資料」 厚生労働省:「標準的な健診・特定保健指導プログラム【平成30年度版】」 *1)Guideline Sugars intake for adults and children WHO 2015. *2)足立己幸.料理選択型栄養教育の枠組としての核料理とその構成に関する研究.民族衛生 1984;50(2):70-107. *3)Sasaki S, Katagiri A, Tsuji T, Shimoda T, Amano K. Self-reported rate of eating correlates with body mass index in 18-y-old Japanese women. Int J Obes Relat Metab Disord. 2003; 27:1405-10. *4)Otsuka R, Tamakoshi K, Yatsuya H, Murata C, Sekiya A, Wada K, Zhang HM, Matsushita K, Sugiura K, Takefuji S, OuYang P, Nagasawa N, Kondo T, Sasaki S, Toyoshima H. Eating fast leads to obesity: findings based on self-administered questionnaires among middle-aged Japanese men and women. J Epidemiol. 2006; 16:117-24. *5)平成22年厚生労働科学研究費補助金(循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業)「特定健診・保健指導開始後の実態を踏まえた新たな課題の整理と保健指導困難事例や若年肥満者も含めた新たな保健指導プログラムの提案に関する研究」(研究代表者 横山徹爾) *6)Hebden L, O’Leary F, Rangan A, Singgih Lie E, Hirani V, Allman-Farinelli M. Fruit Consumption and Adiposity Status in Adults: A Systematic Review of Current Evidence. Crit Rev Food Sci Nutr. 2015 Jun 26:0. *7)香川 靖雄. 時間栄養学による生活習慣病の予防, 体力科学 第63巻 第3号 293-304(2014)DOI:10.7600/jspfsm.63.293 *8)Smith KJ,et al. Skipping breakfast:longitudinal associations with cardiometabolic risk factors in the childfood Determinants of Adult Hearth Study.Am J Clin Nutr 2010;92:1316-25. |