ごはんや麺などをブロッコリーに変更できる飲食店も登場するほど、ダイエット食材として注目される「ブロッコリー」。
ブロッコリーがダイエットに良いといわれる理由は、ブロッコリーの食感と栄養価が関係しています。
ブロッコリーの栄養価のうちダイエットに役立つ部分をピックアップして紹介、効果を活かすおすすめの取り入れ方と具体的なダイエットレシピを紹介します!
ブロッコリーのダイエット効果
ブロッコリーはダイエットの定番食材とも言えますが、ブロッコリーそのものには「食べるだけで体重を減らすような特別な成分」が含まれているわけではありません。
ブロッコリーがダイエットに良い理由は、低カロリーであることに加え、食べ応えを増す食物繊維や、食事量を抑えつつも健康を維持するために必要なビタミン、ミネラルを豊富に含むことが挙げられます。
それぞれの詳しい内容を解説しますので、ブロッコリーを効果的にダイエットに取り入れる助けにしてくださいね。
低カロリーで食べ過ぎを防ぐ
ブロッコリーがダイエット向きといえる理由の最も大きいものは、低カロリーであり、食べすぎによる摂取カロリー過剰を防ぐことに役立つ、ということが挙げられます。
■ゆでブロッコリーとごはん、うどんとの栄養価比較
ブロッコリー(ゆで) | 白米ごはん | うどん(ゆで) | |
カロリー | 30kcal | 156kcal | 95kcal |
たんぱく質 | 3.9g | 2.5g | 2.6g |
脂質 | 0.4g | 0.3g | 0.4g |
炭水化物 | 5.2g | 37.1g | 21.6g |
食物繊維 | 4.3g | 1.5g | 1.3g |
文部科学省:「食品成分データベース:日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より作成
本来は白米ごはんやうどんとブロッコリーを比較するのは適当ではありませんが、ダイエットの分野ではごはんなどの主食と置き換えて使われることもあるため、今回はこれらの食品のカロリーを比較します。
ブロッコリーのエネルギーはゆでた状態で100gあたり30kcalとなっています。
これは、同じ重さのごはんやうどんのエネルギーと比較しても、かなり低い数値となっています。
その一方で、ブロッコリーは食物繊維を豊富に含み、(火の通し方にもよりますが)歯ごたえも十分にあるため、満足感が高いのも特徴のひとつです。
ブロッコリーは低カロリーながら満足感を得やすい食材として、ダイエットに活用できるものといえそうです。
ダイエット中の野菜料理といえばサラダが思い浮かびますが、サラダのような冷たい料理は満足感が薄いのが難点。
かといって、野菜は加熱するとカサが減って噛み応えも弱くなり、ダイエットへの効果が多少弱まってしまいます。
ブロッコリーはゆでてもカサがほとんど減らないので(火の通しすぎには注意ですが)温かい料理でも噛み応えをキープできて満足感が高いところも魅力のひとつといえます。
体脂肪を減らすためのダイエットとカロリーについて詳しく解説した記事はこちら
食物繊維が豊富で便秘対策
ダイエット中は食事量が減ることで便秘に悩む人も少なくないのではないでしょうか。
食物繊維は、便のカサを増やして便通を促してくれる栄養素です。
食物繊維をしっかりとることで便秘になりにくいぶんお腹周りがすっきりしやすく、ダイエットの効果を感じられやすくなるかもしれません。
ゆでたブロッコリー100gには4.3gの食物繊維が含まれています。
これは野菜類の中でも比較的豊富といえる量で、摂取カロリーを抑えつつも食物繊維をとれるブロッコリーはダイエットに積極的に取り入れたい食材といえるでしょう。
カリウムが豊富でむくみ対策
体内の水分やミネラルのバランスが乱れることで起こる「むくみ」は、体や顔のラインが引き締まっていない印象を与えるため、ダイエット中の方にとっては避けたいもののひとつではないでしょうか。
むくみの発生や解消にはカリウムやナトリウムといったミネラル類のほか、水分が影響しています。
カリウムは体内のミネラルバランスや水分バランスの調節にかかわっており、むくみの原因の一つになるナトリウム(塩分)の排出を促す働きを持つ栄養素です。
カリウムは様々な食品に含まれているものの、摂取カロリーを抑えつつカリウム摂取量を増やすには、ブロッコリーを含む野菜類が最適です。
生のブロッコリー100gには460㎎のカリウムが含まれています。
低カロリーで食事からの摂取カロリーを抑えつつ、むくみ対策のためのカリウムを摂取できるのもブロッコリーの魅力といえそうです。
各種ビタミンで肌細胞の健康維持
ブロッコリーは各種ビタミンを豊富に含む野菜でもあります。
ブロッコリーに含まれるビタミンのうち、代表的なものはビタミンCですが、これは肌を含む全身のコラーゲン生成に関与する働きを持っています。
また、抗酸化作用を持つため、全身の細胞の老化を防ぐことから、美肌をつくるビタミンとしても注目されています。
ブロッコリーにはビタミンCのほか、ビタミンKや葉酸、体内でビタミンAとして働くβカロテンなども豊富に含まれており、全身の健康維持に役立ちます。
ダイエット中は食事量が減ることでこれらの必須栄養素が不足しやすくなります。
摂取カロリーを抑えつつ必要な栄養素をとれるブロッコリーは、健康的なダイエットを成功させる目的でも魅力のある食材といえそうです。
ブロッコリーに含まれるそのほかの栄養素について詳しく解説した記事はこちら
ダイエットに効果的なブロッコリーの食べ方
ダイエット中におけるブロッコリーの利点はたくさんありますが、利点を活かす食べ方には、いくつかのポイントがあります。
- 高カロリーな食品と置き換える
- 摂取量は1日100g程度
- 自分が食べすぎやすいタイミングに取り入れる
- 調理方法はレンジ調理だと栄養を逃さない
- 味付けはシンプルにする
それぞれのポイントについて、詳しく解説します。
高カロリーな食品と置き換える
ブロッコリーを効果的にダイエットに活用するには、高カロリーな食品をブロッコリーに置き換えるのがポイントです。
ブロッコリーの利点は食べ応えがありながら低カロリーであること。
ダイエット中には低カロリーなブロッコリーを食べた分、ほかのものを減らして食事全体からの摂取エネルギーを少なくするようにしましょう。
固めに茹で、よく噛むことで満足感が得られやすくなります。
ごはんお茶碗1杯(180g:302kcal)、うどん一玉(180g:189kcal)のそれぞれ半分を100gのゆでブロッコリーと置き換えれば、ごはんは124kcal、うどんは68kcalのカットになります。
主食以外にも、脂質が多くカロリー高めのおかず全般(マヨ系サラダ、フライドポテトなど)と置き換えることで、満足感を損なわずにカロリーカットが可能です。
摂取量は1日100g程度が目安
ダイエットのためにブロッコリーを取り入れる際の1日の目安量について、特に決まった制限はありませんが、食事のバランスを維持することを考慮すると、1日100g程度(約1/2株)、多くとも200g程度までが適量といえるのではないでしょうか。
これは、100g未満程度の少ない量ではカロリーオフ効果が十分に得られにくいこと、反対に多すぎた場合には食事のバランスを取りにくく、健康を損なう恐れがあるためです。
具体的な例としては、以下のようなパターンが考えられます。
- ごはんや麺などの主食を100g減らしてブロッコリーに置き換え
- メインおかずの肉を100g減らしてブロッコリーに置き換え
- ポテトサラダやフライドポテトのような高カロリー副菜を100g減らしてブロッコリーに置き換え
ポイントはどんなものを置き換えるにしても「一部のみ」とすること。
食事のバランスをある程度保ちつつカロリーオフ効果を得られるので意識してみてくださいね。
食べすぎやすいタイミングに取り入れる
ブロッコリーに限らず、低カロリーな食材の置き換えを行うタイミングは、自分の食生活の中で食べすぎやすいタイミングで行うのがおすすめです。
日々の食生活は人によって異なり、食べすぎで摂取カロリー過剰の原因になりやすいタイミングも人によって異なります。
朝、昼、夜、間食、夜食など、自分の生活を振り返ってみて、食べすぎやすいタイミングや余分なカロリー摂取になっているポイントを見極めましょう。
- 昼食のメインおかずを食べすぎてしまう
- 夕食のごはん(主食)を食べすぎてしまう
- 日中、間食を食べすぎてしまう
- 深夜の食事を食べすぎてしまう
食べすぎやすいタイミングで適量範囲の置き換えを行うことで、効果的にカロリーオフが可能です。
調理方法はレンジ調理だと栄養を逃さない
ダイエットにおけるカロリーオフ効果には違いはありませんが、栄養素を無駄なくとることを考えると、ゆでるよりもレンジ調理や蒸し調理がおすすめです。
ブロッコリーに含まれるカリウムやビタミンCなどの水溶性の栄養素は茹でるときにお湯に一部が溶けだすため、お湯を使わないレンジ調理では栄養素が流れ出さないという点で利点があります。
味付けはシンプルにする
ブロッコリーそのものは低カロリーですが、味付けのためのマヨネーズやドレッシングで余分なエネルギーをとるのは避けたいところ。
食事の中で味付けがしっかりしたもの(メイン料理など)と一緒に食べることで、ブロッコリーに伴う調味料がなくてもおいしく食べられます。
どうしてもブロッコリーを単品で食べる場合には、ノンオイルドレッシングなど、カロリーが高くならない方法がおすすめです。
ブロッコリーダイエットの注意点
ブロッコリーはカロリーの面でも栄養素の面でも、健康的にダイエットを行うために適した食品のひとつですが、注意したいポイントもいくつか挙げられます。
健康状態を維持し、ダイエットの効果を長期的に維持するためにも気を付けたいポイントとなっていますので、ダイエットを行う際には気を付けてくださいね。
ブロッコリーばかりの食事にしない
ダイエット中であっても、ごはんやおかずを「すべて」ブロッコリーに置き換えるといった方法は取らないようにしましょう。
ブロッコリーはあくまで食事全体のカロリーをおさえるための食材です。
ブロッコリーばかり食べていては体のエネルギーとなる糖質や脂質、筋肉量を維持するためのタンパク質などが不足することにもつながります。
栄養バランスを整った食事をとるためのポイントは、料理単位で食事を管理すること。
- 主食(ごはん、パン、麺など)
- 主菜(肉、魚、卵などのメインおかず)
- 副菜(野菜、きのこ、海藻などのサブおかず)
これらの料理グループをそろえるようにすると、必須栄養素の適量摂取に近づきます。
必須栄養素を適量摂ることは、健康状態を維持してダイエットの挫折を防ぐ意味でも重要です。
ダイエット中であっても、いろいろな食材から必要な栄養素を補給するようにしてくださいね。
運動も取り入れる
ダイエットにおいて、体脂肪を減らすために必要なことは摂取カロリーを消費カロリーよりも少なくすることです。
このうち、食事を工夫することは摂取カロリーを抑える方向の取り組みです。
これに対し、運動を行うことは消費カロリーを増やす方向の取り組みです。
食事の工夫だけでなく、運動も取り入れることで、消費カロリーと摂取カロリーの差を増やすことができ、ダイエット効果をさらに高めることが可能です。
また、運動によって筋肉量が増えると基礎代謝量も増えるため、太りにくい体づくりにもつながります。
短期間での減量は目指さない
ダイエット全般に言えることですが、1週間や1か月のような短期間で何㎏もの減量を目指すのは避けましょう。
体脂肪1㎏に相当するカロリーは7200kcalですが、1日あたりの消費カロリーは成人で1600~3000kcal程度(性別や体格によって変動)であり、体重の変動がない場合には1日の食事量も消費カロリーとおおよそ同じ値となっています。
完全に食事を無くしたとしても、1㎏の体脂肪を減らすためには3日程度が必要なうえ、絶食に近いような生活は健康維持の面からも避けるべきです。
おすすめの減量ペースは、1カ月1~2㎏程度。
この場合の消費カロリーと摂取カロリーの差は、1日あたり240~480kcalに相当します。
ダイエット中におすすめのブロッコリーレシピを紹介
ブロッコリーをかさましに使い、カロリーオフを行ったレシピを紹介します。
お腹いっぱいになりたいけどカロリーも気になる…というときに活用してくださいね。
少なめご飯でも満足!ブロッコリーのかにかま卵あんかけごはん
【材料】2人分
ごはん | 240g(0.8合) |
ブロッコリー | 1株(小房に分けて300g) |
かにかま | 1パック(70g) |
たまご | 2個 |
水 | 300ml |
顆粒だし | 小さじ1/2(1g) |
めんつゆ2倍濃縮 | 大さじ4(60g) |
片栗粉 | 小さじ2(6g) |
水 | 大さじ2(30ml) |
※横スクロールで表全体の確認が可能です。
【作り方】
1. ごはんは炊いておく。
2. ブロッコリーは小房に分けてつぼみの部分を1%の食塩水に10~20分つける。茎の部分は短冊切りにする。
3. 鍋に水、顆粒だし、めんつゆ、ブロッコリーの芯、ほぐしたかにかまを入れて火にかける。
4. 沸騰してブロッコリーの芯に火が通ったら水溶き片栗粉でとろみをつける。
5. 溶いた卵を回し入れ、煮たてて火を通す。
6. ブロッコリーを水からあげ、耐熱のボウルにいれてラップをかけて1分半加熱する。
7. あんにブロッコリーをいれて軽く混ぜ、なじんだら丼に盛ったごはんにかける。
【栄養価】
1人分396kcal 食物繊維7.0g
カロリーはカレーライス1皿の約半分!
ブロッコリーをたっぷり入れることでごはんが少なめでも満足感のあるどんぶりご飯です。
【レシピ動画紹介】レンジで簡単!ポン酢ダレの肉巻きブロッコリー
【材料】8個分
冷凍ブロッコリー | 8個(80g) |
豚ロースしゃぶしゃぶ肉 | 8枚(120g) |
塩こしょう | 少々 |
●白いりごま | 適量 |
●ポン酢 | 大さじ2(30g) |
●ごま油 | 大さじ1(12g) |
【作り方】
1. ブロッコリーは豚肉を巻いて手で握って肉を密着させ、巻き終わりを下にして耐熱皿にのせる。
ふんわりとラップをし、600Wのレンジで5分加熱して肉に火を通す。
2. ボウルに●を入れて混ぜ、ポン酢タレを作る。
3. 器に盛り、ポン酢タレをかける。
【栄養価】
8個 472kcal たんぱく質27.3g 脂質35.9g 炭水化物7.1g 食物繊維3.1g 食塩相当量2.9g
手軽な冷凍ブロッコリーを活用したレシピです。
噛み応えのあるブロッコリーで満足度も高め!
よりヘルシーに仕上げたい人は、ごま油を控えめにしてみてくださいね。
まとめ
ブロッコリーそのものに体重を減らす特別な成分が含まれているわけではありませんが、上手に活用することで、ストレスなく食事からの摂取エネルギーを減らすことに役立ちます。
食事の中で高カロリーになりやすい食材や食べすぎやすいものと置き換えることで、効果的にカロリーオフが可能です。
栄養を逃さないための調理法という観点では、電子レンジ調理がおすすめです。
また、手軽に取り入れるという意味では、コンビニやスーパーの「冷凍ブロッコリー」も便利です。
冷凍ブロッコリーは長期保存もできるので、食事のたびに簡単にブロッコリーをプラスすることができますよ。
ブロッコリーをはじめとした野菜類はエネルギーの低いものがたくさん。
上手に取り入れて、健康的にダイエットを成功させたいですね。
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参考文献 |