投稿日:2022.04.04 | 最終更新日:2023.08.08

フォローアップミルクとは?ミルクとの違い、必要性、いつから飲むか解説

粉ミルクと並んで販売されている「フォローアップミルク」。
パッケージや使い方も似ているようですが、違いはどこにあるのでしょうか?

フォローアップミルクの特徴と使い方のポイントを紹介します。

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粉乳

フォローアップミルクとは

フォローアップミルクは、「離乳後期以降の不足しがちな栄養素(鉄など)を補うためのミルク」です。

離乳食開始後、食べムラ・小食・好き嫌いなどで必要な栄養素が十分にとれない場合に、栄養バランス強化のために取り入れる食材のひとつとなります。

粉ミルク(乳児用調製粉乳)と同様の粉末状のミルクで、お湯などに溶かして使います。

フォローアップミルクと粉ミルクとの違い

フォローアップミルクと粉ミルク(乳児用調製粉乳)は同じ粉状のミルクであり、混同されることも多いものです。

それぞれ、どんな違いがあるのか、具体的にどう使い分けるのか、比較してみましょう。

粉ミルクは母乳の代わり

粉ミルク(乳児用調製粉乳)は、母乳の代わりに使うものです。

母乳の栄養バランスをベースに、母乳では不足しやすいカルシウム、鉄、ビタミンD、ビタミンKなどの栄養素が強化されています。

母乳の代わりに、新生児から、離乳食の割合が増えてくる1歳ごろまでの主な栄養源として適しています。

フォローアップミルクは牛乳の代わり

フォローアップミルクは牛乳の代わりに使う食品です。

粉ミルクよりも牛乳に近づけた栄養バランスになっており、カルシウムが多くなっています。
また、牛乳では不足しやすい鉄分が添加されているほか、母乳や粉ミルクと比較した場合、たんぱく質、マグネシウム、ビタミンB1、ビタミンB6も多く含まれています。

乳児期後半から幼児期にかけて不足しやすい栄養素を強化したものではありますが、離乳開始前の粉ミルクのように、単体で必要な栄養素が取れるものではありません。

9か月ごろからの離乳後期から、離乳食の食材のひとつとして、牛乳の代わりに取り入れるものです。

フォローアップミルクはいつから、いつまで飲む?

フォローアップミルクはいつからいつまで取り入れるものでしょうか。

粉ミルクと異なり、取り入れ方もチェックポイントとなるようです。

9か月ごろから使用可能

フォローアップミルクは、生後9か月ごろから使えますが、製品によっては1歳から使用可能なものも存在しますので、製品の指示に従うと安心です。

そのまま飲む用途のほか、料理などに牛乳の代用として使えます。

牛乳・乳製品は(ものによって異なりますが)中期(7~8か月)から後期(9~11か月)ごろから使用可能ですので、フォローアップミルクもおおむね同じであると考えるとわかりやすいかもしれません。(牛乳の飲用は1歳からが目安です)

3歳くらいまでが目安

フォローアップミルクは、製品としては3歳までとしているものが多くなっています。

3歳を過ぎて飲んでいても何か害があるという訳ではありませんが、成長に必要な栄養素に対して十分な食事量をとれるようになる時期の目安として、3歳という線引きがされているのでは、と考えます。

フォローアップミルクの必要性

粉ミルクは母乳の代わりとして、母乳をあげられない場合などにおいて必ず必要なものです。
一方、フォローアップミルクは必ずしも必要なものではありません。

その理由を、赤ちゃんの体の変化と食事から解説します。

離乳が順調なら不要

生まれてすぐの赤ちゃんは、お母さんのおなかの中で蓄えた鉄分を持っていますが、生後6か月以降になると貯蔵していた鉄分が少なくなります。
このとき、食事などから十分に鉄分が摂取できていないと鉄欠乏性貧血が起こりやすくなることが知られています。

粉ミルクでは必要な量の鉄が逆算して含まれていますが、母乳では鉄分が不足しやすく、離乳食などから鉄分を補給することが大事になってきます。

こういった場合に、(母乳ではなく)牛乳の代用品として使われるのがフォローアップミルクです。
牛乳と比較して鉄分が多く含まれるため、離乳食や離乳完了後の食事からの鉄分摂取に役立ちます。

そのため、離乳食が順調に進み、いろいろな食材から鉄分が十分に摂取できていれば、基本的にフォローアップミルクは必要ありません。

食事量や成長に関して不安なことがある場合には、健診などを活用し、医師などに相談してみましょう。

フォローアップミルクが必要な場合

フォローアップミルクが必要と考えられるのは、成長に必要な鉄分等の栄養素が食事から十分にとれていないと考えられるときです。

具体的には、

  • 離乳食の食べが悪い
  • 食べられるものの種類が増えていかない

…など、鉄分不足からの鉄欠乏性貧血が心配される場合や、

  • 体重が順調に増えていかない

…など、栄養摂取に不安がある場合です。

こういった場合には、フォローアップミルクを医療機関等と相談してから取り入れるのがよいでしょう。

フォローアップミルクの飲ませ方・おすすめ活用法

離乳食

フォローアップミルクを取り入れたいけれど、どう使うべきか迷ってしまう人も多いのではないでしょうか?

そのまま飲む場合の飲ませ方と、離乳食に取り入れる場合の使い方について解説します。

そのまま飲む場合の量・頻度・飲ませ方

フォローアップミルクを飲ませる場合には、お湯で溶かしてから飲ませます。

量は離乳食の有無によって異なり、以下が目安の量と頻度になります。

  • 離乳食の食後…60~120mlを1日3回
  • 離乳食の食間…200mlを1日2回

飲ませ方は哺乳瓶でもよいですが、フォローアップミルクは牛乳の代替品であることを考えると、将来的にはコップ等で飲むのが理想的です。
慣れるまでは哺乳瓶で、その後は離乳食の一環として、徐々にストローマグやコップに移行させていくとよいでしょう。

料理に使う場合のおすすめの使い方

9か月から1歳までの期間は、フォローアップミルクは離乳食の食材のひとつとしての使い道がメインとなります。

基本的にはお湯で溶かして液状の状態で使用します。

  • グラタンやシチューなどのクリームソースに
  • 蒸しパンやホットケーキの生地に混ぜ込む
  • つぶしたサツマイモに混ぜてスイートポテトに
  • 味噌やマヨネーズに混ぜ込む

元のレシピがある場合、牛乳と同量を置き換える形で使うのが良いでしょう。

まとめ

フォローアップミルクは、離乳食が順調であれば必ずしも必要なものではありませんが、この時期に心配な鉄分不足を補うのに役立つ食品です。

この時期の子どもたち向けの食品には、フォローアップミルク以外にも鉄分を強化したものが多数存在します。
こういった食品のひとつとして、赤ちゃんの様子を見ながら必要に応じて取り入れていくのがよいでしょう。

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参考文献

厚生労働省:「授乳・離乳の支援ガイド(平成31年3月)」

厚生労働省:「日本人の食事摂取基準(2020年版)策定検討会」 報告書

児玉浩子. 幼児の栄養:フォローアップミルクを見直そう 小児科臨床. Vol.69 No.11 2016 1893-1899(141-147).

佐々木万里恵, 高橋孝雄. 乳児期の鉄欠乏について 小児科臨床. Vol.72 No.2 2019 193-197(73-77).

平井 しおり管理栄養士
平井 しおり管理栄養士

2013年に管理栄養士資格取得後、保育施設に勤務、栄養相談などに従事。

現在は「イマカラ」にて、栄養とダイエットに関する科学的根拠に基づいた情報を発信しています。